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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

混合診療禁止に法的根拠はない。東京地裁判決

今日は社労士試験の合格発表がありましたね。


合格された方おめでとうございます!今後のご活躍をお祈り致します。残念ながら不合格だった方、ご自分の欠点を分析してそこをつぶして、是非再チャレンジしてください。


さて、標題の話に移りたいと思いますが、現在、健康保険では診療の中に一部でも保険が適用されない保険外診療があると、保険が適用される診療も全部ひっくるめて、保険が適用されずに全額自己負担での診療とされてしまいます。


例外的に厚生労働大臣が定める先進医療や医薬品の治験等(評価療養)と特別室や予約診療等、快適性や利便性のため被保険者が選定する療養費(選定療養)については、基礎的な治療部分のみが保険診療となる「混合診療」が認められています。(保険外併用療養費と呼びます)(参照)


しかし、厚生労働省が認める範囲は狭く、特にがんなどの場合、日本では承認されていないが、海外では実績を上げている薬を使いたいというようなことがあります。


その場合、当然保険がきかない治療ということで、本来ならば保険がきく部分の治療も全額自己負担となってしまい、そのような患者さんは大変な経済的負担を強いられることになります。

現実にそのような状態にさらされてしまった男性が提訴して、7日、東京地裁で「混合診療(保険適用の治療と適用外の治療を併用すること)の禁止には法的根拠はない」との判決を出しました。


男性は腎臓がんを患い、保険でできる療法とできない療法を併用して受けたため、全額が自己負担となってしまいます。「何故、本来なら保険でまかなえる治療費を全額自己負担しなければならないのか」、「保険料として強制的に徴収したものの対価として給付があるのに、どういう根拠でその権利を剥奪できるのか」と疑問を持ちます。


裁判でそれを明らかにしたいと思い、弁護士に相談しますが、誰も引き受け手がなく、自ら代理人を立てず(正確には立てられず)訴状などの書面を作って闘病しながら1人で裁判を闘ったそうです。自分と同じ思いをしている人はたくさんいるはずだという、「自分だけの問題ではない」という思いも強くあったそうです。


一個人が国を相手に闘うということは、本当に大変だったことと思います。弁護士が誰も代理人になってくれなかったというのは理解できません。この男性の真摯な気持ちと大変な努力に敬意を表したいと思います。


裁判所では、「法的根拠はあるか」ということが争われたわけで、混合診療の良し悪しまで争われたわけではありません。しかし、「法的根拠がない」と判断されると、違法なことをやってるよと言われたことと同じになりますから、今後、国は、何らかの措置を考えなくてはならなくなるでしょう。


混合診療を許すと金持ちだけがいい治療を受けられるとの批判があります。私はむしろ逆ではないかと思います。保険でできる部分は保険給付が受けられるとなれば、今まで、全額自己負担になるのだったら、とても治療は受けられないと思ってあきらめていた人が、保険外の治療を併用して受けられるかもしれません。


金持ちがいい治療を受けるのはいつの時代でもあり得ることでしょうし、それよりも、裁判を提訴した男性のように一般的な所得の人の利益を考えるべきではないかなと感じます。所得の低い人が不利になるというのであれば、それはまた社会保障等の別の問題でケアしていくべきことでしょう。


ただ、薬の副作用や安全性を評価するためのデータが、国の管理下を離れ、闇に消えるおそれがあるとの批判については、私もちょっと心配にはなります。それはやはり医療機関に報告義務を設けるとか、国の調査を厳しくするとかするべきなのでしょうが、薬害が次から次と出てくる厚生労働省は、信用できない部分もありますね。結局、今だって闇に葬られている部分がありそうですから、少しでも患者の利益になった方がよいのではないかと思います。


基本的には、病気の治療法というのは、個人の意思で選んでいくものですから、望む治療がより安価に受けられるのが理想だと思います。そういう意味では、「混合診療」を認められればより選択肢が広がり、患者のためになるのではないかと思います。


そのためには、国や医療機関側も情報を積極的に開示して、患者が自己の責任と判断で治療法を選べるようにするということが、前提になると思います。

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