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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

JAL労組の監視ファイル 社員の個人情報とプライバシーの侵害

昨日、日本航空の客室乗務員の労働組合「日本航空キャビンクルーユニオン」のメンバー194人が、「JAL労働組合」を提訴しました。(新聞記事参照)


大きな会社になると、労働組合が複数あるのはそう珍しいことではないようですが、JALの場合は、地上勤務の人や機長など職種によって組合があり、8つもあるそうで、訴えられたのはどちらかというと、会社寄りの一番組合員数の多い労組です。

なんでも、このJAL労組は客室乗務員についてのいわゆる「監視ファイル」のようなものを作り、個人のプライバシーに関わるような私的な情報を集め、閲覧していたということです。


テレビの報道によると、内容は、158項目に及び9800人分ものフアィルがあるとのことで、随分頑張って集めたもんだなと思います。情報の中には、流産経験、がん、自立神経失調症などの病歴、「バツイチ」「シングルマザー」、「総会屋の娘」などの家庭環境、の他、「バカ」「役立たず」「悪党」「おデブさん」など、容姿や性格に関するものもあるとのことですが、ここまでくると一流企業の人達とは思えない、人間としての品性を疑ってしまいますね。


ところで、この「監視ファイル」の中身はいわゆる「個人情報」の他に「個人のプライバシー」の領域になることが多く含まれているようですね。その二つの違いはわかりにくいと思いますが、個人情報保護法では、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、これにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)」(2条1項)が「個人情報」であると規定しています。


企業における労働者の個人情報の管理については、厚生労働省が指針を出していますので、興味のある方はご覧ください。(参照) 記憶に新しいところでは、派遣会社が派遣スタッフの住所、生年月日等の他に美人度ランキングなどを流出させて、提訴された例もあったと思います。


前述のJALの場合は、「おデブさん」、「総会屋の娘」等だけでは、誰だかわかりませんが、当然、氏名、生年月日などの情報に付け加えて、そのような記述をしているのでしょうから、他の情報と照合して特定の個人を識別できることになり、立派な個人情報となるわけですね。


個人情報保護法では、「個人情報取扱い事業者」を情報主体を人単位で5000人以上と、線引きしています。従業員だけではなく、家族、株主、顧客等も含まれますから、ちょっと大きな会社ですとすぐ5000人は超えるでしょうから、法の規制を受けることになると思います。


しかし、今回の提訴は「人権侵害」を訴えているとのことですから、プライバシーの侵害ということを重要視しているのだと思います。長くなりましたので、プライバシーの侵害と労務管理については、明日また続きを書きたいと思います。


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