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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

賞与について労働法的に考える

街にイルミネーションが輝き、どこからともなくクリスマスソングが聞こえてくるようになると、年末のボーナスの時期ですね。


我が家では夫が30代半ばでサラリーマンをやめ、自分で設計事務所を始めたので、それからボーナスには縁がない生活です。ボーナスもらえる人はいいなあと思いますが、「宮仕え」の苦労もあるでしょうし、どちらがいいとは、単純には言えないかもしれませんね。


賞与というのは、労働法的には「功労報償的、任意恩恵的」、「給料の後払」「企業の利益の配分」、など様々な性格を持つものとしてとらえられています。賃金として請求権を持つためには、支払額、時期、方法等が確定していることが必要と考えられています。

ですから、就業規則で「賞与は年2回、7月及び12月に支給する」と定められていても、それだけでは請求する権利は生じないと考えるわけです。


判例では、賞与について「広義の賃金である」ことを認めつつ、「対象期間中に企業の営業実績や労働者の能率等諸般の事情により支給の有無及びその額が変動する性質のものである」としています。そして、具体的な請求権は、「具体的な支給額または算出基準が定められている場合を除き」、「労使双方の合意によってはじめて発生する」権利としています(小暮釦製作所事件東京地裁判平成6.11.5)。


就業規則上によほど確定的に額や算出方法がない限り、流動的なものだという考え方のようです。だから、最近は、経営者側としては、就業規則上は原則支給するけれど、業績悪化等による不支給もあり得るようなニュアンスで規定する場合が多いと思います。


しかし、労働者側にとっては、支給0となったら大変な不利益となるわけですから、支給に対しての査定や基準は合理性がなければならないとするのが判例等の考え方です。特段の事情もないのに、経営者の都合で勝手にころころ基準を変えるのは許されません。


労働者側も労働契約を結ぶ時には、賞与のことについてもきちんと確認しておくべきでしょう。通常は文書で条件が通知されるはずですから、賞与についても記載内容等で納得がいかなかったら、きちんと質問してはっきりさせておくとよいでしょう。


賞与の査定条件で出勤率○%以上というのが見られます。それについては、欠勤を減らし出勤率を上げるための措置として、合理性があるとされます。ただし、産前産後休業、育児休業など、法律で権利が認められている休業については、通常の欠勤と同列に扱うのは公序違反で無効とされています。それについては、当ブログの過去記事に書いたことがありますので、興味のある方はご覧ください(過去記事参照)


ボーナスというのは、会社員の方にとっては楽しみなものだと思いますが、業績悪化でそれどころではないという会社もあるでしょうし、年末のこの時期は様々な思いをめぐらせる方も多いと思います。我が家ももう○十年もボーナスはないのですが、とにかく「今生きてここにあるということを感謝しようよ」と最近では思えるようになりました。やはり、いろいろ経験を積み重ねた結果たどりついた心境なのでしょうか。

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