FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

生理休暇に対する不利益取扱い

私の所属する研究会に提出する次なる原稿は、以前、当ブログでも関連記事を書きましたが、(過去記事参照)「産前産後休業を取得したために賞与が0 これっておかしくない?」なんてところを書こうと思い、ちょっと勉強していましたら、生理休暇についての不利益取扱いについての判例がありました。


労働基準法では、生理日の就業が著しく困難な女性についての休業を認めています。使用者に対して、「女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定しています(68条)。


通達では、日数、賃金の有無等については法律がありませんので、労働協約、就業規則、労働契約等で定めるようにとしています。

この権利が濫用されるおそれもあると考えたのか、他にもいろいろ通達が出されています。「現実に生理日の就業が著しく困難な状態の女性労働者」についての規定であり、「生理であることのみをもって休暇を請求することができることを認めたものではない」などとわざわざ断っています。


他方、著しいかどうかの判断は、厳格な証明は必要ではなく、「一応事実を推断せしめるに足れば十分」としていますし、「精皆勤手当等の減額により著しい不利益を課することは法の趣旨に照らし好ましくない」とも通達が出されています。


前述の判例のひとつは、賃金引上げの査定に「稼働率80%」という条件をつけ、欠勤はもちろん、年休、生理休暇、産休、育児時間、労働組合活動等による不就労などを全てマイナス扱いとした会社が、労働者側23名に提訴された事件です。(日本シェーリング賃金請求上告事件最判平成元12.14)


判決では、80%の稼働率を充たさない者について賃金を引き上げないという基準については合法としましたが、法律で権利を認められた休業を算定の際に入れることについては、権利の行使を抑制するものとして無効としました。高裁では、80%条項そのものも無効としていたため、差し戻しとなりました。


もう一つは、生理休暇の取得について、「毎月生理休暇を必要日数だけとることができる。そのうち年間24日を有給とする」という就業規則を「そのうち月2日を限度とし、1日につき基本給の一日分68%を保障する」と変更したため、就業規則の不利益変更に関連して、提訴された事件です。(タケダシステム事件最判昭58.11.25)


判決では、有給生理休暇の取得が濫用された事実があり、就業規則の変更には、社内規律の保持及び従業員の公平な処遇のために必要であり、合理性があったと判断しています。


当たり前の話ですが、法律で決められた権利であっても、濫用は認められないということです。


私も女のはしくれですからよくわかりますが、女性にとって生理日というのはなかなか厄介なものです。大部分の女性は腹痛、眠気、イライラ感など、程度の差はあるにしても体調に異変をきたすはずです。多くの方は休むほどひどくはないということで、仕事をなさると思いますが、著しく辛い方は、法律で決められた権利ですので、無理をしないで休業をとってください。ただし、濫用はおやめくださいね。


休業について無給でも違法ではありませんが、事業主さんには、女性に優しい職場を作るために社内規程などを整備していただきたいと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する