FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

会社の姿勢に問題あり。「分煙要求で解雇」

つい最近、東京のタクシーが全面禁煙となって話題となりました。

私の住んでいる埼玉県も含めて、全国で16都県のタクシーが全面禁煙となっているそうです。

市役所や病院なども建物内は全面禁煙というところが増えました。

私は、タバコを吸わないので何にも困りませんが、愛煙家はちょっとかわいそうだなという気がしないでもありません。

そこまでするのは、やはり「受動喫煙」の害というのが科学的にも証明されているからでしょう。

タバコは吸う人のみならず、その周りで自然に煙を吸ってしまう人にも健康に対して害を与えるということがわかっています。

そうであるならば、やはり自分の周りでタバコは吸ってほしくないですよね。それを会社内で主張したがために解雇になり、不当解雇として提訴したというニュースが先週ありました。(参照)

ある建設会社に2007年1月入社したAさんは、タバコが苦手でしたが、その会社では、社長を含めて社員の大半が喫煙者で、自席で喫煙していました。

Aさんは、入社直後から頭痛や吐き気、不整脈などの症状が出て、同年5月に「急性受動喫煙症」と診断されます。

Aさんは、診断書を提出して分煙対策を要望しましたが、会社側は応じませんでした。「喫煙しないとうちの社員は仕事にならない」、「タバコが苦手なら他の仕事を探した方がいい」などというのが会社の言い分でした。

 

Aさんは、最寄の労働基準監督署に相談したところ、労基署が調査に出向き、改善を指導しました。その直後、会社はAさんに退職か配置転換を受け入れるよう命じました。Aさんがどちらも拒否すると「やむを得ない理由がある」として解雇されました。

Aさんは、泣き寝入りしたくないとして解雇無効を提訴しました。

Aさんの代理人弁護士は「解雇の実質的な理由は労基署への相談であり、解雇は労働基準法違反」としています。

 

これは、会社側は相当分が悪いと思います。会社に分煙対策を要望したのが発端の解雇ですから、解雇権濫用と言われてもやむを得ないでしょう。また、安全衛生法にある「職場における労働者の安全と健康を確保する」義務(第3条)にも抵触している可能性が大きいと思います。

社長は「分煙対策は費用がかかる。世の中の流れに逆らっているのは承知しているが、Aさんと会社双方のために解雇した」としているそうですが、解雇で不利益をこうむるのは、圧倒的に労働者側ですから、この言い分もちょっと疑問ですね。

 

「喫煙しないと仕事にならない」というのもよくわかりません。私はよくわからないのですが、「タバコを吸う」というのは、「お茶を飲む」と同じで、ちょこっと休憩しているとか、一息いれているというイメージですから、休憩時間中にするべきことで、むやみやたらに勤務中にするべきことではないように思うのですが。

また、社長も言っているように「世の中の流れ」としては、非喫煙者を受動喫煙の害から守るためにいろいろ措置をするということになっていますから、中小企業といえども、そういう意識を持つことは大切だと思います。

 

今後、施行される労働契約法(私のHP参照)では、使用者の安全配慮義務が明文化されました。現実に非喫煙者の社員が健康被害を訴えてきた場合は、会社として、やはり何らかの措置をすることが求められると思います。それを怠っていると、裁判になった場合、会社側は相当不利になるのではないかと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する