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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「労働契約法」3月1日より施行

新しい法律「労働契約法」については、ざっと読んだ印象を以前記事にしたことがあります。(過去記事参照)

その時は施行日はまだ決まっていなかったのですが、3月1日から施行と決まりました。

ざっと見た印象でも今まで確立されていた判例法理の「後追い」的条文が目立ちますし、具体的に何かを変えるとか必要な届出があるとかは何もありませんから、実務的にすぐ影響があるとは思えません。

私の手持ちの書籍(「労働契約法・改正労基法の個別論点整理と企業の実務対応」岩出誠著 日本法令)の著者は、「かつて労基法18条の2の解雇権濫用法理の立法化が果たした効果と同じ」、「判例法理さえ知らない中小零細企業への啓発的効果しかないのではないか」というようなことを書いていらっしゃいます。

この労基法18条の2の条文はそっくりそのまま労働契約法の第16条に移り、労基法の方は削除となります。また、就業規則と個別の労働契約の優先順位を規定した労基法93条が、「労働契約と就業規則の関係については、労働契約法第12条の定めるところによる」と改定となります。

 

内容や考え方は従来どおりですが、根拠となる法律が「労働契約法」となったという点で、社労士受験生の方々は注意が必要かもしれません。改正条項は試験に出やすいですものね。

さて、前述の「中小零細企業への啓発効果」ですが、これはやはりじわじわと効いてくるかもしれません。「解雇権濫用法理」も最近はかなり浸透してきて、労基法の条文そのものは知らなくても「むやみやたらに解雇はできない」という意識は企業の方にも随分出てきていると思います。

 

同じように、労働契約法に書かれてある判例法理の後追い的条文も、少しづつ浸透していくのではないかと思います。社労士等の専門家が当然事業主に説明をしていくと思いますから。やはり、「書いてそこにある」という意義は大きいと、私は考えています。

「判例法理」だけであれば、必ずしも答えは一つではないですし、「うちは裁判なんて関係ないよ」なんて思う事業主もいるでしょう。でも、法律条文として目に見える形で存在していれば、無視することはできないですよね。

 

労働契約法では、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容についての理解を深めるようにするものとする」(第4条第1項)との表現で、使用者に対しての「理解促進義務」を求めています。

この辺もゆるやかな表現ながら、労働条件を明確にすることを今まで以上に求められるようになるのではないかと感じます。採用時に労働条件についてきちんと説明して、労働者の質問にも丁寧に答えていくという態度をとらないと、法の趣旨からは外れてしまうと思います。「労働条件通知書」などを充実させることが必要になると思います。

 

労働者側も、遠慮しないで労働条件についてどんどん質問するという「根拠」になる条文だと思います。

「労働契約法」の全文については、厚生労働省のHPにあります。全体的に読み安い法律ですから、興味のある方はご一読ください。

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コメント


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労働契約法

とりあえずはたいした法律ではないように思えますが、
先ずは小さく産んで…これから徐々に育てていけばよいという期待はありますね。
たとえば均等法や育児休業法などもそうでしたから。

ひますけ | URL | 2008年02月13日(Wed)15:20 [EDIT]


ひますけさん、こんばんわ。
確かに、均等法などは随分改正されましたし、企業の意識を変える役割を果たしましたね。

私たち社労士も企業や社会に向けて発信していくことが大切だと思います。
せっかくの法律を無駄にしないようにしたいですね。

おばさん社労士 | URL | 2008年02月13日(Wed)18:35 [EDIT]