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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

懲戒処分について考える

昨日の記事で、こんな校長は「懲戒免職にしてほしい」というようなことを書きました。

最近、就業規則の見直しの仕事をさせていただくようになって、やはり「懲戒処分」というのは気をつけて見るところの一つです。

本来、使用者と労働者は対等の立場で労働契約を結ぶわけですから、使用者が一方的に労働者を支配するかのごとくに懲戒処分を課すのはおかしいのではないか、という議論は労働法の世界では古くからあったようです。

法律の世界では、とにかく一つのことが認められるためには、必ず何らかの「根拠」が必要です。

法律条文、判例、学説などにそれを求めるわけですね。

前述の「懲戒をできる根拠」ですが、学説の一つで「固有権説」というのがあります。

使用者は企業の規律と秩序を維持するために、固有の権利として「懲戒権」を持っているとするものです。その考え方ですと、就業規則上に根拠がなくても、固有の権利があるのですから使用者は労働者の懲戒処分ができるということになります。

 

他方、「契約説」では労働者が労働契約において具体的に同意を与えている限度のみ可能であるとする説です。

この説ですと、就業規則上に懲戒の種別や事由がきちんと記載され、労働者が同意するか、少なくとも就業規則が周知されるような手続きがとられていることが必要になります。

 

判例では「労働契約の中には企業秩序遵守義務が含まれているから、使用者は企業秩序違反行為に対して制裁ができる」と、固有権説をとるもの(関西電力事件最判昭和58.9.8)もありますが、近年では、就業規則等の会社の規則にのっとって処分ができるとする説が有力となっています。(フジ興産事件最判平成15.10.10)

 

かくして、就業規則上に懲戒の種別と事由がはっきりと書かれている場合に、それにのっとって処分ができるというのが、最近の考え方です。

ですから、就業規則で懲戒についてはしっかりと規定を作って、いざという時に備えなければなりません。労働者側にすれば、自分が何らかの制裁を受けるときには、「その根拠は何か?」はっきりさせてもらいましょう。

制裁の種類は、「譴責」「減給」「降格」「出勤停止」「諭旨解雇」「懲戒解雇」などが普通の就業規則には書かれています。

 

私が大昔会社勤めをしていた時には、確かに就業規則を渡された覚えがあるのですが、ろくに読みもしませんでした。今思えばバカですねー。

特に問題もなかったし、在職中に他の人が懲戒処分を受けたという話も聞いたことはありませんが、やはり、お勤めの方は会社の就業規則には関心を払うべきだと思います。

 

常時雇われている人がパート、アルバイトも含めて10人以上の事業所には、就業規則の作成・届出義務があります。該当するのに就業規則がないなんて会社は、コンプライアンス意識の低い危ない会社だと思って間違いないでしょう。

労働契約を結ぶ時には、就業規則の存在も確認しましょう。

〔今日の参考文献〕 菅野和夫『労働法第7版補正2版』P366~378

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