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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労使馴れ合いの果て 社保庁の不当労働行為

昨日、社会保険庁の「ヤミ専従」の常態化が報道されました。(参照)

労働組合の活動に専従して本来の業務をしない職員に対して、給与を支払い続けていたことが発覚し、その額は1997年から2004年にかけて5億円にものぼり、今後さらに増えるかもしれないとのことです。

社会保険庁の今後の後継組織のあり方について検討していた段階でわかったそうで、労組側は委員長が辞任する見通しで、給与の返金にも応じる方針だそうです。

「給与を払ってあげてたんだから、組合活動に理解があっていい使用者ということになるんじゃないの?」

と思う方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、これは、労働組合法で禁止されている不等労働行為にあたります。(第7条3号)

労働組合法では、使用者の不等な介入を防ぎ労働組合が自主的に活動できるように保護を図っています。

前述の条文中で①労組活動をしたことによる不利益な取り扱い、②労組へ加入しないこと、又は脱退することを雇用条件とする(黄犬契約) ③団体交渉の拒否 ④支配介入 ⑤経費援助 等を禁止しています。

 

組合専従となった職員が、本来の業務をしていなければ雇用契約上の賃金を支払う義務はないわけです。それなのに、あえて支払うということは、組合と馴れ合いの関係を作り、自主的な活動を阻害する行為ですから、④、⑤についての違反行為となります。

しかし、この立法趣旨というのは労働組合の自主性と独立性を侵食することを禁止したものですから、実際に労組が独立性を保ち、御用組合化していなければいいとも考えられます。

 

ですから、通達でも、労働組合の厚生資金や福利基金に対する寄付、最小限の事務所の供与、組合費を給与から差し引く、メーデーへ参加した時に賃金を支払う、組合専従期間中を出勤日数、勤続年数等に算入する、組合業務のうち、福利厚生活動のみ従事している者に給与を支給する、などは不等労働行為とはならないとされています。

 

通常は組合専従となった人の給与は組合が負担するべきものなので、「ヤミ専従」などという言い方が出てくるのです。

「ヤミ専従」であることは労組側も使用者側も認めているということですから、そういう認識があったということでしょうが、社会保険庁の場合、民間企業とは違い給与は税金から支払われているのですから、その辺の意識もお粗末極まりないということですね。

 

近年、労働組合の組織率は2割をきっていますが、弱い立場の労働者が労働条件をよくしようと思ったら、団結して使用者と交渉するのが最も近道だと私は思います。でも、「そこに働く労働者みんなでよくなろうよ」という本来の役割を忘れ、ぬくぬくと甘い汁だけ吸おうなんて労働組合はさっさと解散するべきだと思います。

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