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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

募集・採用時に健康に関する告知書を出させるですって?

先週、県社労士会で運営している労働相談所の事例研究発表会がありました。

年金についての事例は過去記事にしましたが、(参照)労務相談については、私としては非常に疑問に思うところがあって、その時はスルーしましたが、やはり書いておこうかと思います。

採用時の「健康に関する告知書」についてなのです。

この問題は、私の所属する研究会でも過去かなり議論となったことがあります。

(過去記事①)、        (過去記事②)

この研究発表では、紹介予定派遣の途中で体調をくずしうつ病になった人の例が取り上げられて、そのようなことに対する企業の防衛策として、採用前に「健康に関する告知書」を提出させるということを挙げているのです。

この告知書に事実と異なる記述をした場合は、採用取り消しや相応の処分を受けても異議申し立てをしませんなどと書かれていて、それを労働者に提出させるのです。

内容は、現在、医師の治療を受けているか否か、過去1年間の病気欠勤の有無、健康診断で異常の指摘を受けたことがあるか、過去の精神病歴、腰痛、肩こり、腱鞘炎の有無、健康面での気にかかることの有無、などを申告させる内容となっています。

 

社労士がこういうこと書かせるかね? と私は大いに疑問に感じました。

質問したかったのですが、時間がない雰囲気で質問されたくないという司会者の態度がみえみえだったので、質問はしなかったのですが、いまだにすっきりしていません。

このような告知書に過去の病歴などを正直に書いた場合、当然不採用とするわけですよね。

健康状態に問題のない人がほしいというのは企業の本音なのでしょうが、過去に病気をしたからと言って、今は問題ないのに安易に就職の機会が奪われる社会というのは、住みやすい社会と言えるでしょうか。

 

考えようによっては、「元気で丈夫」な人は病気の人の気持ちを推し量ることができず、企業にとって100%有益な人材かというと、多少の疑問もないわけではありませんよね。「集団としての力」を考えた時、むしろ様々な人材がいた方がよいのではないかと私は思います。

もちろん、過去に病気があっても現在は業務をするのに支障がないというのが前提ですが。

 

社会保険労務士法の第1条には、「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする」とあります。

社会保険労務士がべったりと企業よりの考え方をしていたら、この目的に反することになるのです。顧問先企業の利益を図ることについては何の異論もありませんが、少なくとも企業だけが利益を得て、その陰で多くの労働者が泣くなんていう社会には私はなってほしくありません。

前述の事例研究発表は、社会保険労務士として社会に向けて何を発信すべきなのか、そんな視点が全く欠けているように思えて残念だなあと感じました。

なお、採用時の健康診断についての厚生労働省の見解はこちらです。(参照)

〔管理人注〕久し振りにこの記事を読み返してみましたら、上の厚労省の見解が消えていました。

いろいろ探しましたが、同じものが見つかりませんでした。厚生労働省のHPで採用の際の注意事項について書かれています。これを読むと不必要な個人情報を収集してはならないとありますので、健康チェックなども含まれると思われます。

そのページはこちらです。  2008年10月15日

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