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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年金は誰のためのもの? もっと国民的議論を

ちょっと古いのですが、今月10日社会保険庁は3年に一度行われる「国民年金被保険者実態調査」の結果を発表しました。(参照)

調査したのは2005年のことで、何で発表まで3年もかかるのか私にはよくわかりません。

正確にはこの調査は国民年金の第1号被保険者についての調査です。

サラリーマンなど会社にお勤めの人は厚生年金、公務員などは共済組合に加入して、勤務先で給料天引きで保険料を納めていますし、その人達の被扶養配偶者は「第3号被保険者」として企業などが拠出金を納めているので、自分では保険料を支払っていません。

国民年金の第1号被保険者とは、国内居住で厚生年金や共済組合に加入していない20歳以上60歳未満の人が該当者で国籍などは問いません。

主に自営業者や厚生年金に加入できない非正規雇用者などで、自分で直接保険料を納めなければなりません。

現在は、1カ月14,100円です。

発表によると加入者1896万3000人のうち、短期を含む未納者は約481万9000人で、前回の調査より155万2000人増えているそうです。

世帯収入別では、1000万円以上の1割強、11.1%、500万円~1000万円未満で17.3%が未納者です。

これらの人達は、収入がガラス張りで経費もほとんど認められないサラリーマンと違い、私の想像ですが、結構表に現れている以上の収入のある人達ではないかと思います。

当然、払おうと思えば支払える人たちだと思いますが、年金なんてあてにしないで生きていけるからいいよと、意図的に支払わないということだと思います。

 

収入200万円未満になると28.6%、「所得なし」では25.9%が未納、これらの人たちは払いたくても払えないということになるのでしょうか。

払わない理由はどの世帯でも「保険料が高い」です。所得1000万円以上でも54.8%ということです。

 

国民年金制度の目的は「憲法第25条第2項に規定する理念に基き」「老齢、障害、又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止」することが目的です。(国民年金法第1条)

憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定して、第2項でそのために国は社会福祉、社会保障等の増進に努めることが規定されています。

 

現在の年金制度は自分が納めた分を老後に受け取るという積み立て方式にはなっていません。今納めた保険料は現在年金を受け取っている人たちに回っているのです。

ですから、「払わなければ自分が損をするだけなんだから別にいいでしょ。」と考えるのは間違っています。

払いたくても払えない人はともかくとして、払えるのに払わない人たちは、憲法の理念を踏みにじり国民が共同連帯していく社会を否定することになるのです。

 

年金制度を考えることは、私たちがこの社会をどのようにしていきたいのかという根幹について考えることだと思います。

もっと、もっと国民的議論を期待したいのですが、今の政治状況ではそれも望めそうもありませんね。社会保険労務士が「年金の専門家」と自負するのなら、国民年金制度について堂々と案を出すぐらいのことをすべきだと私は思いますが、今のところ、社労士会では全然そんな動きはなく、残念だなあと思います。

 

なお、収入に余裕がなくて支払えない人については全額免除や一部免除制度があります。(参照)

申請用紙はインターネットでダウンロードできますし、郵送で申請することもできます。手続きをしておけば滞納扱いにはなりませんので、老齢年金も一部受け取れますし、障害年金についても納付要件をクリアーすることができます。

収入が少なくて今納めるのは大変という方は是非利用なさってください。

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