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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

過重労働によりうつ病になった社員の解雇は無効

今週、うつ病になり休業していた社員が休職期間満了による解雇を無効として会社を訴えた事件の地裁判決がありました。

病気にかかり休職した場合、就業規則上の休職期間が満了しても治らないで仕事ができない場合は、退職、解雇などになるのが普通です。

しかし、その病気の原因が業務上のものである場合、会社は療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇できないという労働基準法の規定があります。(19条)

それでは、業務上の疾病が重くいつまでも治らない場合、会社はずっとその社員を雇い続けなければならないかというと、療養開始後3年を経過した後「打切り補償」(平均賃金の1200日分を支払う)をすれば、解雇できるという但書が同規定にあります。

前述の社員は自分の病気が過重労働によるものだとして労災を申請しますが、認められず、労災が認められなければ「業務上の疾病」ではなく私傷病ということになりますから、休職期間満了をもって解雇となったものです。

 

この社員Aさんはある大手電機メーカーの社員で2000年11月頃より、社内のあるプロジェクトに配置され、長時間残業、休日出勤、各種会議の開催など過重な業務によるストレスを受け、うつ病となってしまい2001年9月より休業を余儀なくされました。

同プロジェクトに従事した同僚2人が同年の7月、12月にそれぞれ自殺しています。

会社は業務との因果関係を否定しているため、2004年休職期間満了により解雇となってしまいます。同じ時期にAさんは労災申請を行っていますが、不支給となり現在それを取り消す裁判も進行しているようです。

 

解雇の無効を訴えた民事裁判では、Aさん側の主張が全面的に認められ、Aさんの病気は過重業務によるもので解雇は無効として、未払い賃金、慰謝料など2800万円の支払を命じました。会社側は即日控訴しています。

社員の病気の原因が業務にあるとされると、会社は大変なリスクを負うことになるのですが、3月から施行されている新設の「労働契約法」でも、会社の労働者に対する安全配慮義務が明文化され、会社側にとっては厳しい状況になりつつあると思います。

この判決もそのような流れの中で出てきたものではないかと思います。

 

過重労働というのは人の精神をむしばむものなのだということを、経営者はよく自覚する必要があると思います。

AさんはHPを立上げ顛末をかなり詳しく掲載しています。興味のある方はご覧ください。(参照)

〔管理人注〕その後、2009年6月に労災不支給決定を取り消す裁判でもAさんの勝訴が確定して、本件は労災と認められました。

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コメント


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私も。

私も会社の不当な扱いに対して立ち上がったところです。10ヶ月前に、長年に渡る上司のわがままに対し心のバランスを崩し、孤立無援のまま休職、子供の面倒すらキツく唯一心療内科のDr.しか話せる人がいない状態から、法テラスでお世話になり労働審判申立までいったところです私も不屈の精神で立ち向かいたいと思います。記事を見てとても励みになりました。ありがとうございました。

まま | URL | 2011年05月21日(Sat)06:39 [EDIT]


ままさん、
大変な状況の中、コメントをありがとうございます。
3年も前の記事をお読みいただき、励みになったと言って
いただけて、とてもうれしく思いました。

「冬来たりなば春遠からじ」
私の好きな言葉です。どんな悪い状況も事態は必ず動いて
いきます。
ままさんが笑顔でお子様と過ごせる日が来ることをお祈り
しております。

おばさん社労士 | URL | 2011年05月22日(Sun)15:29 [EDIT]