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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パートタイマーの就業規則

昨日、社労士会の自主研究会の例会があり私も出席しました。

今月私が提出した原稿はパートタイマーの就業規則をテーマにしたものです。

労働基準法では常時10人以上従業員のいる事業場に就業規則の作成、届出を義務付けています。

この「従業員」にはパートタイマーなど正社員以外の従業員も含まれます。学説では雇用形態や処遇が異なるパートタイマーを区別して考えることに合理性があるとする説(個別説)もありますが、実務上は労基法上の条文で

「常時10人以上の労働者を使用する」となっているため、「労働者」という概念にはパートタイマーやアルバイトなども含まれますから、その事業場にいる全ての「労働者」をカウントすることになっています。

学説でいうところの一体説であり、厚生労働省の指針でもその立場にたっています。

裁判例ではどうでしょうか。

 

一般従業員の就業規則はあるが、雇用期間2ヶ月を更新する「直傭員」にはない場合は、直傭員用の就業規則が制定されるまでは一般従業員の就業規則が適用されるべきとしたもの(東京地裁決定昭和24.10.16日本油脂王子工場事件)

本工である「社員」の就業規則はあるが、臨時工である「常用日雇」の就業規則がない場合は日雇臨時工に対しても本工の就業規則を準用するのが当然だとしたもの(横浜地裁決定昭和41.5.25日本ビクター事件)

などがあります。

 

よくある就業規則の条文で「この就業規則はパートタイマーには適用しない。パートタイマーの労働条件は個別の雇用契約書による」

というものがあります。

このような条文だけですと、結局パートタイマーには就業規則が存在しないことになってしまい、もし、常態として10人以上労働者がいるのにそのようになっていたとしたら、労基法違反となります。

また、前述の裁判結果からもわかるとおり、正社員用の就業規則をパートタイマーにも適用せざるを得なくなります。

 

パートタイマー用の別規程を作るか、パートタイマーと正社員の処遇について分けたい条文について、個別に「この条文はパートタイマーには適用しない」と書き連ねていくしかありません。

後者をとると非常に煩雑でわずらわしいですから、パートタイマー用の別規程を作った方がいいという話になるわけです。

 

専門家の間では比較的常識的なことなのですが、まだまだ一般の事業主には理解がされていない事柄です。

もし、あなたの会社がパート用、アルバイト用など正社員とは別の就業規則があるとしたら、結構意識の高い経営者ということになると思います。

〔今日の参考文献〕菅野和夫『労働法第7版補正二版』P177~178

            河本毅『労働紛争解決実務講義』(日本法令平成19年5月)P964~966

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