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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

厚労省のネットカフェ化? 勤務中の私的利用は制限するべき。

以前過去記事にも書きましたが、私の所属する研究会で出版社から依頼を受けて「就業規則Q&A」というような小冊子を作成中です。

その中で、私が担当した部分は「就業規則とは何か?作成の仕方、記載内容は?」というような基本的部分と、もう一つ「服務規律」についての部分を担当しました。

服務規律とはどういうものかということや、何を規定したらよいかなどについてです。

その中で、昨今のIT化を踏まえて勤務時間中の私的電子メールやインターネットの制限、合理的な理由があれば使用者がそれらの履歴を調べることができるなどを規定するようにと提案しています。

今朝の新聞には、毎度お騒がせの厚生労働省の職員が、勤務時間中に業務に関係ない掲示板やチャットにアクセスしていたということが記事になっていました。

全体の1.2%とはいえ12万件以上ということで、数にするとかなりのものですね。

アダルトや株取引はできないようにしてある(当たり前!)が、掲示板等は規制外だったということで、舛添大臣は「勤務中にそういうことをすべきでない。きちんとルールを作る」と語ったそうです。

 

へえー、今まで作ってなかったの?

相変わらずぬるい職場だなあと思いますが、民間の会社でも仕事中に私的にパソコンを利用すれば、労働契約に付随する「職務専念義務」違反として、会社に対する背信行為とされます。

トラブルになる前にきちんと就業規則等で社内規程を作り、社員に周知して守ってもらうべきでしょう。

ネットについてはないのですが、業務中の私的電子メールの利用についてはいくつかの裁判例も出ています。

 

上司からセクハラ行為を受けた女子従業員が、それについて社内ネットワークを用いて夫と電子メールでやりとりしたものを、その上司が閲覧したことに対する損害賠償訴訟では、電子メールの送受信について、

「日常の社会生活を営む上で通常必要な外部との連絡」であり、「会社の経済的負担も極めて軽微」なので、「合理的な限度の範囲で発信に用いることも社会通念上許される」としました。

IT化となる前には、会社に私用電話がかかったり、時にはかけたりということもたいてい許容されていたことを考えれば、妥当な判断ですよね。

 

しかし、裁判で焦点となったプライバシー保護については、

「社内ネットワークシステムには当該会社の管理者が存在し、ネットワーク全体を適宜監視しながら保守を行っているのが通常」として、

「プライバシー保護の範囲は通常の電話装置の場合よりも相当程度低減されることを甘受すべき」として、

監視の目的、手段、及びその態様を総合考慮して監視された側の不利益と比較衡量して、社会通念上相当な範囲を逸脱したかどうかで決めるべきとして、プライバシー侵害を否定しました。(東京地裁判平成13.12.3)

 

社労士としては、このような裁判になることを未然に防ぐ労務管理ということが重要ですし、仕事ですから、前述のように就業規則できちんと規定するということが非常に大切だと思います。

〔今日の参考文献〕「労働紛争解決実務講義 第二版」P572~576 河本毅著 日本法令

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