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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

正社員として入社したはずなのに有期雇用を繰り返し雇止めは不当?

私はいわゆるブランド品というものをほとんど持っていません。

お金がなくて買えないということもありますが(それが最も大きな理由?)バッグや時計が○十万円とか○百万円とか聞くと、果たしてそれが正当な対価なのだろうかと疑問を持ってしまうからです。

経済は需要と供給の関係ですから、それでもほしいという人がたくさんいる限り商売として成立するんでしょうね。

そんなブランドを売り物とする会社の労使トラブルが昨日新聞記事にありました。(新聞記事参照)

2004年に正社員の求人で応募して採用された女性社員が、「時計の販売経験がないのでとりあえず嘱託でお願いします」と6ヶ月の期間と書かれた契約書にサインしましたが、それが有期雇用契約であるとの説明はなかったそうです。

女性は試用期間と理解して2004年9月から働き始めましたが、その後も6ヶ月ごとに更新を繰り返す雇用形態が続いたため、2006年8月に「いつ正社員になれるのか?」と尋ねましたが、「もう少し様子を見させて」と言われ、07年3月にも同様に言われました。

 

今年3月に「6ヶ月の更新の後、その後の更新はない」と通告されます。理由は業績悪化です。

女性は正社員としての地位確認を求めるため提訴しました。

会社側の言い分がないのですが、社員側の言い分が全て本当だとすると、会社側は相当分が悪いですね。

まず、正社員の求人をして採用しているということ。

それで採用されれば当然正社員となったと理解しますよね。

でも、有期雇用契約の契約書を取り交わしているんだからということで、これを有期雇用契約の嘱託社員だと見たとしても、過去の判例などから期間のない雇用契約と同視できる契約となる可能性が高いです。

その場合には、正社員同様に「社会通念上相当な理由」がないとむやみと解雇はできなくなります。

有期雇用契約の雇止めについて、期間の定めがない契約と同視できる条件として、

①仕事の内容(臨時的か恒常的か) ②更新の回数、期間 ③契約期間管理の状況(きちんと契約書を取り交わしていたかなど) ④雇用継続の期待を持たせる言動、制度の有無 ⑤他の労働者の雇止めの状況

などが過去の判例で確立されています。

この女性の場合は、3年半も働いていたのですから、仕事が臨時的なものとは考えにくいですし、何よりも頑張れば正社員になれるというような期待を持たされる状況にあったわけですから、そのような場合は、期間の定めがない契約と同視するかどうかについて、会社側に厳しい判断が下るのが普通です。

 

また、会社側は「業績悪化」を理由としているようですが、それを言ってしまうと、更に解雇要件というのが厳しくなってきますので、いずれにしても会社側に分が悪いなあという印象ですね。

そして、高級ブランドのイメージにも傷がつくでしょうし。

経営者は、都合よく労働者を使い搾取するなんてことは考えない方がいいと思います。この場合も求人の段階で嘱託社員の募集として、契約の時にもきちんと説明するということが必要だったと思います。

トラブルを起こす前の労務管理はとても大切です。経営者はもっと勉強してほしいなと思います。

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