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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

金持ちがより金持ちになるという遺族年金もあり?

今週月曜日に年金・労務相談のスキルアップのための研修が支部であり、労務については火曜日に記事にしました。

年金についても連続で書こうと思っていたのですが、昨日麻生氏のことを書いたので、1日遅れで今日書きたいと思います。

講師は自他ともに認める年金専門社労士です。

遺族年金について、豊富な実務経験からいろいろとお話してくださいました。

どちらかというと、「いかにして年金をもらえるようにするか」というところに着目したお話のようでした。

遺族年金といっても、国民年金の遺族基礎年金は「子(年齢要件あり)」または「子のある妻」のみに支給されるため、主に遺族厚生年金の話です。

いろいろと実務経験をもとにお話してくださったのですが、その中で、中小企業のオーナー社長夫人のような年収が850万円以上あり、本来なら年収要件にひっかかって、遺族年金を受け取れないような人が受け取れるようにするためにはどうするか?なんていうのがありました。

社長が倒れ、再起不能とわかったら息子さんに全権委任してまず自分の収入を減らすこと(帳簿上の給料を減らすということですかね)、そして収入要件を整え、社長が亡くなったら遺族年金を請求する。

 

収入要件は今後5年以内に少なくなるということがはっきり証明できる場合もOKですから、亡くなってからでもこの方法は使えるでしょう。

中小企業を顧問先に持ち、事業主から年金相談を受けることも意外と多い社労士は、みんなこんなことをアドバイスしているんですかね。

「収入が850万円以上あるなら、年金なんて返上しちゃいなさい」なんて私なら言っちゃうかもしれませんが。

だって、もともと遺族年金というのは金持ちをより金持ちにするためのものではないんですからね。働き手を失い生活が困窮してしまう遺族を助けるためのものですから。

でも、中小企業の場合は、将来的に商売がうまくいかなくなるなんてこともないわけではないから、やはりしっかり手続して、もらえるものはもらおうとなるんですかね。そういう方は、とりあえず権利を確保しておいて、自ら申出て支給を停止してもらうということを是非やっていただきたいですね。(注1) 

〔注1〕平成19年4月から、年金受給者は自ら申し出て年金を支給停止してもらうことができるようになりました。いったん停止してもいつでも将来に向かってまた復活させることができます。(遡って過去の分は受け取れないけれど、申し出た時点以降にまた受け取ることができる)

 

講師の話はさらに、「離れて暮らしている独身の息子(娘)が亡くなった場合遺族厚生年金をもらうにはどうするか」ということにも言及されます。

通常、生計維持関係があれば独身で妻子がない人の場合、親(死亡時55歳以上に限る、支給開始は60歳から)に請求権があります。

しかし、別居して一切生計維持関係がないと請求はできません。

それを回避するためには、毎月いくらかでも息子(娘)が仕送りをしていれば、「生計維持関係がある」ことになるから請求できるというわけです。

額は、親が生活する上で少しでも生計を維持するために助けているということになるので、1万円でも2万円でもいいそうです。

仕送りしてきたものは貯金しておいて結婚するときに結婚費用の足しにすればよいということなのですが・・・。

 

庶民にとって年金があるかないかは大変なことだと思うのですが、ある程度余裕を持って生活できる人には、厳しい年金財政ですから我慢していただくということも必要なのではないかなと私は思っています。

そうは言っても「もらえるものならもらいたい」というのが自然でしょうから、やはり年収要件をもう少し厳しくした方がいいんだろうかと、ちょっと考えてしまいました。

 

年金は本当に困っている人、必要な人に広くあまねく行き渡らせるべきなのですが、「請求主義」をとっていると、情報や知識のある人は請求して受け取ることができるけれど、往々にして情報が得にくい状況におかれがちな、本当に困っている人たちがこぼれ落ちる可能性も大いにあるわけですよね。

「請求主義」を見直すか、情報を広くあまねく行き渡らせるようにするべきか、どっちがいいんだろうか、社労士はどう行動するべきなんだろうかと考えてしまいました。

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