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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「重要な労働条件は書面で交付」が守られていない現実

民法上、「契約」は申し込みの意思表示と承諾の意思表示が合致することで成立すると考えられています。

例えば、AがBに、「この家を1000万円で売りましょう。」と申し込み、

BがAに「1000万円で買いましょう」と承諾した段階で、それぞれの意思表示が合致して契約が成立するわけです。

契約書や契約書に印を押したなんていうのは証拠にはなっても、法律上の契約成立要件ではありません。

雇用契約も、「こういう仕事で働いてもらうためにあなたを雇います」

「そういう仕事で働きます。雇ってください」

で、成立することにはなりますが、弱い立場の労働者を守るために、労働基準法、その他の労働法でいろいろと修正がなされ、そちらが優先的に適用されることになります。

労働条件の文書による交付義務もその一つです。

昨日、記事にしたアンケートの中で、

「労働条件を明示した文書の交付」がなされていないと答えた方が、38名中12名もいらっしゃいました。

労働基準法では、「使用者は労働契約締結の際に労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」(第15条)とあり、明示する事項と方法は厚生労働省令で定められています。

 

明示する事項は、①労働契約の期間  ②就業の場所、従事する業務  ③残業の有無  ④始業、終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替勤務の場合の勤務形態、 ⑤賃金(退職手当、臨時の賃金を除く)の決定、計算、支払の方法、締め切り、支払時期、昇給(昇給については口頭でもよい)  ⑥退職に関する事項(解雇の理由を含む)

他にもし使用者側で定めがあれば、退職手当、臨時の賃金、労働者に負担させる食費、作業用品その他、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰、制裁、休職 などについても明示しなければなりません。

 

そして、明示方法は「書面の交付」とあり、労働契約を結ぶ場合にはかなり広い範囲の労働条件について書いた文書を渡さなければならないことになっています。

これは全ての労働者(雇われて働いて賃金をもらう人)に対する規定ですから、正社員やパートの区別はありません。

パートだからと軽く見る事業主もいるということなのでしょうか。

これを守っていれば、

「有給休暇があるのかないのかわからない」

なんて話にはならないはずなのですが、現実はそんなことがまかり通っているんですね。きちんと書面で明示することによって、トラブルの防止にもなるし、何よりもお互いにすっきり気分よく仕事ができると思うのですが。

 

そんな使用者に対する「啓蒙」も社労士の仕事だと思うのですが、私にはなかなか使用者からお声がかかりません。営業活動も全然やっていないのですが。(涼しくなったら少し考えなくてはと思っています)

経営者向けの雑誌に原稿を書かせていただいたり、ブログやHPで発信したりと、できることを地道に少しづつやっていこうと思っています。

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