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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年功序列の光と影

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」http://www.kobunsha.com/top.htmlという本を読みました。


誰もが(一部の人かもしれませんが)何となく感じている今の日本の労働市場における問題点を明確に示してくれました。一読に値する本だと思います。

この本におけるキーワードは「昭和的価値観」です。いい大学を出て名の通った企業に入り、「年功序列というレール」に乗ることです。誰でも席にすわり続ければ、定年退職というゴールが待っています。何時にどこを通過するか、目的地も到着時刻もあらかじめ決まっているらくちんなツアー旅行です。


若い頃の下働きに耐えれば、50歳を過ぎた頃からそのご褒美とも言うべき厚遇が待っています。(勤続年数が増えれば急上昇する退職金などです)しかし、それは経済が成長し続けるという条件があればこそで、経済成長が鈍くなり、グローバルな競争にさらされてしまうと、限られたごく一部の人しかポストを得ることはできません。


成果主義という年功序列の「功」の部分が「年」の部分を侵食してくると、大部分の人は40代で収入が頭打ちになります。「昭和的価値観」における「年功序列」は山一證券の倒産のころからジワジワと崩壊への道を辿ります。この2006年においては既にすっかり崩壊しています。


それなのに、既得権益を守ろうとする50代以上の人々が政治、企業(経済界)、労働組合さえも意思決定権を握っているため、自分たちの既得権を守ることのみに固執して、若者を踏み台にしようとしている、そして、自分たちだけは逃げ切りを図ろうとしていると、50代以上の世代にはちょっと手厳しいですが、私はここに書かれていることを、共感を持って読むことができます。


今の20代の若者は、まさに私の息子、娘世代ですが、確かに大学を出た後勤めて3年もしないうちに辞めるという話が私の回りにたくさんあります。(私の友人の息子、娘など)彼らは長時間労働にくたびれ果てています。しかも、一世代前のように我慢すればある程度の年齢以上になったときに楽になるなどという保障は何もありません。もちろんレールに乗れなかった人々が苦しい状況になるのは昔も今も変わりがありません。


著者は日本の教育も「昭和的価値観」のレールに乗ることを目指すような、羊的若者を育てるようにできていると書いています。


真の民主主義を体現できるような自己確立を目指す教育が必要ですよね。著者は最後の方で、「昭和的価値観」に見切りをつけて生き生きと働いている人たちを紹介しています。若者に「声を上げるように」とも提言しています。


閉塞感に襲われている若い人たち、またその親の世代に是非読んでほしい本だと思いました。




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