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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

派遣先にも責任あり。製造業への派遣解禁により労災事故が増大

社労士試験のことなどがあり、書き損ねていましたが先週厚生労働省が派遣労働者の労災件数を明らかにしました。(新聞記事参照)

製造業の派遣が解禁になった2004年から3年間に9倍に増えたということで、日雇い派遣などできちんとした安全教育も受けないままに、危険な仕事をさせられ事故に遭うケースなども少なくないようです。

労働安全衛生法では、事業主に対して労働者を雇入れたときや、作業内容を変更したときの安全衛生教育、厚生労働省で定める危険有害業務についての特別教育などを義務付けています。

雇入れたときと作業内容が変更になったときの安全衛生教育はどういうことをするべきか、安全衛生施行規則では細かく規定があります。

機械や原材料の取り扱い方やその危険性、作業手順や作業開始時の点検、「整理整頓及び清潔の保持に関すること」や「事故時等における応急措置及び退避に関すること」なんていう項目もあり、社内で安全で衛生的に働けるように多岐に渡る教育を事業主には義務づけています。

 

派遣労働者の場合、直接の雇用者は派遣元ですから、安全衛生教育は派遣元の責任になります。

派遣先の仕事に見合った安全衛生教育を派遣労働者にする義務があります。

しかし、派遣元で直接働くわけではなく、派遣先が直接の仕事場になるわけですから、派遣先が安全衛生教育について知らん顔していていいなどということはありません。

厚生労働省では、「派遣先が構ずべき措置に関する指針」を出していますが、

「派遣先は、派遣元事業主が派遣労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育を適切に行えるよう、派遣労働者が従事する業務に係る情報を派遣元事業主に対し積極的に提供するとともに、派遣元事業主から雇入れ時の安全衛生教育の委託の申し入れがあった場合には可能な限りこれに応じるよう努める等、派遣労働者の安全衛生に係る措置を実施するために必要な協力や配慮を行うこと」

となっています。

 

この文章では、「可能な限りこれに応じるよう努める」というのがちょっと弱いなあと思うのですが、派遣元としては派遣先の仕事内容に応じた安全教育をするために、派遣先から情報をよく得て場合によっては、派遣先に安全教育をしてもらうよう頼めるということなのですね。

派遣元と派遣先の関係は派遣元にとって派遣先は「お客様」ということになり、あまり強いことを言って別の派遣会社に変えられるのを恐れるということがあるようです。

労働者の安全なんてどっかに吹っ飛んでいるかのようですね。

 

派遣元には自社で雇った労働者に対して、派遣先には自社の指揮命令下で働く労働者に対して、ともに安全配慮義務を負っていますから、安全衛生教育を怠っているようなことがあれば大きな責任を問われることになります。

経営者には「労働者の安全」ということを強く意識していただきたいと思います。

 

なお、派遣先で労災事故があって労働者が負傷した場合「労働者死傷病報告」は派遣元、派遣先両方が提出します。給付の手続は直接の雇い主である派遣元が行います。

派遣労働者の方で、仕事中の作業などが原因で負傷した場合、会社が何もしてくれない場合には派遣先会社、または派遣元会社の最寄の労働基準監督署にご相談ください。

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