FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

厚労省が管理監督者基準について補足を出す

飲食チェーン店における「名ばかり管理職」の問題で、厚生労働省が通達を出したことは先月記事にしました。(参照)

待遇の部分でアルバイトやパートと比較したり、最低賃金まで引き合いに出してきていましたので、えらく低い基準だねぇとは思いましたが、今までの確固たる判例法理がありますから、最終的には大丈夫だろうと思っていました。

労働弁護団や労組団体はやはり問題のある通達だと判断したのでしょう。

厚生労働省に見直しの要請をしていたと報道されています。

これを受けて、3日に厚生労働省がこの通達についての補足を発表しています。(参照)

厚生労働省の過去の通達では、管理監督者とは労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあり、名称にとらわれず実態で判断するとなっています。

判断材料として以下を挙げ、裁判でも同様に判断しているものが多く出ています。(大阪地判昭和58.7.12サンド事件)、(大阪地判昭和61.7.31レストラン・ビュッフェ事件)、(東京地判平成7.9.25国民金融公庫事件)

①職務の内容と権限

②労働時間が厳格に管理されているか

③それなりに高い待遇を得ているか

などの判断基準を示しています。

①については、経営権や人事権などがあり、職務についても権限と裁量があること。②については、重い責任と権限ゆえに、かえって労働時間の規制になじまないため、労働時間について一般労働者のように管理されていない。③については、管理職手当てや賞与などで相当に高い賃金を得ていること。というような解釈です。

 

そのように以前の通達や裁判では相当に高いハードルとなっていますから、最近でもマクドナルドの店長が、「名ばかり管理職」であり、残業代を支払わないのは違法という裁判結果が出ています。

それらの裁判例に比較すると、最近出された「飲食チェーン店用」の通達は待遇の賃金の部分で「最低賃金を上回る」だの、「アルバイト、パートと比較して賃金が上回る」などの記述があり、過去の通達、判例法理に比べるとかなり低い基準が示されています。

今回の補足で、厚生労働省は先に出した通達は、過去の考え方を否定するものではなく、基準を緩めているものでもないとしています。

 

「時間単価に換算した賃金額が最低賃金額に満たない場合」などのあまりにも低い水準については、監督指導で把握した実態で認められた事項を否定要素として挙げたもので、最低賃金額を上回ったからといって、管理監督者性が肯定されることにならないのは当然だとしています。

私も、最低賃金額を引っ張り出してきたことはびっくりしました。そんな低い水準を示す必要などないと思うのですが、どうもすっきりしませんね。

「アルバイト、パートの賃金額」については、長時間労働を強いられている場合、時間単価を計算すると、アルバイト、パートにも及ばないということが実際にあり、重要な否定要素としたとしています。

 

「最低賃金額」、「アルバイト、パートの賃金」など、非常に低い基準を出したということは、実際にそういう例があり、具体的にわかりやすく伝えるために否定要素として特に出したのだということが言いたいようですね。

そういう実態があると厚生労働省は自ら認めたわけですから、今後しっかりと監督指導して、現状を是正していただきたいと思います。

「名ばかり管理職」で苦しんでいる方は是非声をあげていただきたいと思います。

声をあげればきっと変わると、私は信じたいと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する