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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

企業の裁判員対策

裁判員制度については過去記事にしたことがあります。(参照)

制度については、裁判所のHPの裁判員のサイトにいろいろわかりやすく書かれています。

そのサイトによると、目的としては刑事裁判に一般市民が参加することにより司法制度への理解を深めてもらうなどということが書かれています。

今朝の朝日新聞では光市の母子殺害事件の遺族の方の談話がありました。

人を裁く難しさや被害者の苦労を多くの人が知ることにより、犯罪抑止の方向にいくことを期待していらっしゃるようでした。

既に続々と裁判員候補となる人に通知が届き、企業でも対応を迫られています。

大企業では有給の特別休暇制度などを設けるところもあるようですが、中小企業では「特に何もしていない」との回答が6割を占めたという調査結果(東京商工会議所の説明会に参加した企業の調査)も発表されています。

同じ調査では、人に余裕のない零細企業には特に配慮してほしいという声もあったということで、中小企業にとってはなかなか頭の痛い問題となるかもしれません。

どういう人が辞退できるかということについては、裁判所のサイトに掲載されています。(参照)

70歳以上の人や学生、生徒などはそれだけで辞退が認められるのですね。

他には病気やけが、介護や養育、産前産後、裁判所から遠隔地で行くのが大変、葬式への出席なども社会生活上の重要な用務として認められるようですね。

仕事を理由に辞退するとしたら、代替のきかない仕事でその人がぬけると著しい損害が生じるというような場合でしょうが、どこまで認められるかということは個別に判断されることになるようです。

 

労働基準法では、使用者は労働者が「労働時間中に選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない」(第7条)

と規定しています。

但書では職務の執行に支障がなければ時刻の変更はできるとしていますが、裁判員の場合は時間も指定されるでしょうから、都合のいい時間に変更するのは難しいでしょう。

ですから、会社としては社員が裁判員としての務めを果たすために仕事を休みたいと言った場合は、休暇を与えなければなりません。有給にするか無給にするかは実際に仕事をしていない部分については、賃金を払う必要はないので無給でも構いません。

1日あたり8000円から1万円の日当が出る(旅費も出るそうです)ということなので、私が事業主だったら、日当と平均賃金の差額を出してあげて、労働者が結果的に「自腹を切って」裁判員の任務を行うことのないようサポートしてあげたいなあと思います。

 

サポートといえば、場合によっては残酷な写真を見たり、有罪、無罪の評決で非常に悩んだりして、メンタル面で打撃を受ける場合もあり得るということですが、そのあたりのことも新聞に掲載されていました。

前述の商工会議所の説明会で、

「心理的な負担のために医者にかかったような場合は補償は出るのか」

という質問に対して、最高裁の担当者が

「必要なら労災申請できます。トラウマが残った場合の電話相談窓口も設置します」と答えたそうですが、労災は業務起因性と業務遂行性が条件ですから、いわゆる「労災」ではなく、公務員の業務中の補償と同じようなものということでしょうかね。

 

いずれにしても社員が積極的に参加したい場合は、会社としてはできる限り協力しなければならないでしょう。

ぎりぎりの人員でやりくりしている中小零細企業は大変でしょうが、とりあえずは、現状を正直に裁判所に話して、人が一人抜ける大変さを理解してもらうということになるでしょうか。

まだまだ、始まったばかりの制度ですので、今後のなりゆきに注目していきたいと思います。

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