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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

続 内定取消を考える

内定取消について、判例などを交えて記事にしたのは1ヶ月以上前です。(参照)

その後も内定取消は続いているようです。私は見ていなかったのですが、あるテレビ番組で

「正当な理由のない内定取消に対しては、解決金を6ヶ月分の給料ぐらい要求してもいい」

と言っていたと、ある社労士に聞きました。

その社労士は企業側の立場として、みんながそんなに要求しても困るよねというようなニュアンスで語ったのです。

過去記事にもあるとおり、採用内定というのは解約権が留保されてはいるけれど、既に労働契約は成立したと考えますから、正当な理由なく一方的に解約することはできません。

解約権があるからと言ってもそれは「客観的に合理的で社会通念上相当な」理由でなければ権利の濫用ということになります。

権利の濫用とは、権利というのはある常識的な枠の中で主張すべきもので、権利があるからと言って、限界を超えて主張しても認められないとする法律上の考え方です。

 

しかし、この「正当な」理由というのがなかなか判断が難しいのではないかと思います。現在起きている内定取消は、多くが予想もできなかった急激な業績悪化ということを理由にしていると思います。

その場合にどこまでが「社会通念上相当な理由」なのか、業績が悪化して倒産寸前、現在雇っている人すら人員削減しようとしているとか、一応黒字だけれど大幅減益で新しく人を雇う余裕はなくなってしまった、とかいろいろで、個別に実態をみて正当かどうか判断するということになるでしょう。

 

「契約」という観点から内定決定した時点で、どういう場合に取消になるかということは明示されていると思います。会社としては、「ここに書いてあるでしょ」というかもしれません。この時期に内定取消などと言われると、来年4月からの就職を目指すのは大変だし、交渉として何がしかの金銭を要求するというのは間違ってはいないと思います。

ですけれど、過去記事に書いた判例は、最高裁までいったため内定決定の年から10年以上かかって、内定取消は無効という結論になっています。裁判なんかしないとしても、交渉ごとというのはなかなか時間とエネルギーがいります。

あまり金銭をとることにのみエネルギーを使うのではなく、次の就職のために使った方がいいのではないかと私は思います。もちろん理不尽なことに対して声を上げていくということは、社会全体にとって大切なことだとは思いますが。

 

どんな事情にせよ、簡単に約束事を反故にするような会社はこれから先も信用できないかもしれません。個別の社員の気持ちや事情などお構いなしの会社かもしれません。できればそんな会社で働きたくないですものね。

そういう会社とわかって良かったぐらいに考えて、前に進んでいただきたいなと思います。

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