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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(2)罰則について

1週間に1度ぐらいは労働基準法についての記事を書きたいと以前過去記事にしました。(参照)

その翌週にあたる先週は一度も書いていないというわけで、今日は労働基準法再読の(2)を書いてみたいと思います。

労働基準法が守られているか「監視」する役所は労働基準監督署です。

この「署」は区役所や社会保険事務所など他の役所に使う「所」という字ではなく警察署の「署」と同じです。

労働基準監督官という労働基準法の「お目付け役」の公務員には、違反者に対して警察官と同じ刑事訴訟法上の職務権限が与えられています。

そんなところから普通の役所と区別して「署」の字を使っているのでしょうか。

というわけで、今日は罰則について見てみましょう。

労働基準法は、「これだけは守ってくださいね」という最低の労働条件を定めた法律ですが、非常に強い法規で違反者(主として事業主)に対する罰則もきちんと定められています。

ただし、だいたい違反していることがわかった事業所には最寄の労働基準監督署長から是正指導や勧告が出されますから、実際に罰則が適用されるのはかなり少ないか、ほとんどないのではないかと思います。

しかし、第117条以下の罰則の規定をみると各条文に対する違反者に対しての罰則が細かく定められていて、前回記事にしたこの法律が作成された当時の、労働環境をとにかく良くしていこうとする意気込みのようなものが感じられます。

 

労働基準法で定められている最も重い罰則は、強制労働の禁止(注1)に対する1年以上10年以下の懲役、又は20万円以上300万円以下の罰金です。

注1.第5条 使用者は暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

第二次世界大戦前の、建設現場や炭鉱での暴力や半ば監禁状態で働かせること、女性の場合は「女工哀史」にある紡績工場などには、寄宿舎の施錠、監視人などが横行していたこと、雇入れのときの前借金により、事実上労働者を足止めすることなどが行われていた経験から、それらを厳しく規制するとともに労働者の人権に配慮したものです。

 

次に重いのは1年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですが、「中間搾取」の禁止違反、最低年齢違反、坑内労働の禁止違反、などがあります。

最低年齢違反とは、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、要するに中学卒業までは使用してはならないことになっていますので、それに対する罰則です。(子役、新聞配達など行政官庁の許可を受けた場合は例外的に使用できます)

坑内労働の禁止とは、現在は炭鉱というものがほとんどなくなりましたが、明治、大正、昭和の頃はエネルギー源として盛んに石炭が採掘されていました。地下にもぐって重い石炭を運んだりするのですから過酷な労働ですが、女性や年少者も労働者として働いていました。

そのような過酷な条件での労働から女性や年少者を守るため、労働基準法では、一部の例外を除いて女性と18歳未満の人については坑内労働を禁止しています。その違反に対する罰則ということです。

 

次は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金です。いろいろあるのですが、労働者の関心の高いようなものですと、時間外、休日、深夜の割増賃金を支払わないとか、法定の有給休暇を与えないとか、休日、休暇に対する規定違反、法定の解雇予告手当てを支払わない、監督署に労働条件について申告した労働者に対する不利益取扱いをした場合もこの罰則です。

 

一番軽いのは30万円以下の罰金です。

文書とか届出に関するものが多いです。

契約する時に労働条件の明示義務を怠った場合、フレックスタイムを除く変形労働時間制の届出違反、就業規則作成届出違反、労働者名簿や賃金台帳作成違反、などがあります。

なお、使用者は労働者が死亡したり退職した後も労働者名簿、賃金台帳など労働者に関する重要な書類を3年間保存する義務があります。 それについても違反した場合は30万円以下の罰金です。

以上は一部で、労働基準法の規定については結構細かく罰則が定められたいます。それだけ強制力の強い強行法規ということで、とにかく守ってくださいという意味合いがあるのだと思います。

 

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