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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

分かち合う社会はあきらめない社会

昨晩、夕食の支度をしながらチラチラNHKのテレビを見ていたら、非正規雇用者のセーフティネットについての番組をやっていました。

常々私が尊敬する反貧困ネットワーク事務局長の湯浅氏が出演していたので、支度が終わり食卓について食事をしながらじっくり見てみました。

日本の非正規雇用者の場合、社会保険(年金と健康保険)はもとより、失業したときのセーフティネットである雇用保険にも加入していない人が非常に多いのです。それは、企業側が企業負担分を嫌うということと、雇用保険の場合、週20時間以上、1年以上継続して雇用される見込みがないと加入できないなどの制度上の問題もあります。

従って、昨今報道されているように職を失った非正規雇用の人たちは住居も失い路頭に迷っているのに、失業保険さえないというひどい状況に追い込まれてしまうのです。

これらについて克服している先進国としてオランダの例が挙げられていました。

オランダも企業側が都合よく使える派遣社員の増加が問題となり、1990年代半ばに派遣の規制を強めるか、派遣を残すか企業に選択を迫りました。

企業側としては、「派遣」という制度がなくなるのは非常に困ると判断しました。

派遣社員を残す場合には同一労働同一賃金を徹底する、即ち派遣社員という理由だけで低賃金にすることなく、同じ仕事をしている正社員と同じ賃金とする、社会保障を充実させる、派遣社員が失業しても3年間はそれまでの7割の収入が保障される、職業訓練を企業の負担により受けさせる、それらを法制化したのです。企業側も社会の人々もこれを受け容れました。

 

結果、現在では、不景気により解雇されてもそれほど動揺しない派遣社員の姿があります。法律ができる前までは低賃金にあえぎ希望を失っていた非正規雇用者も、法律制定後職業訓練などを積極的に受けて自分をスキルアップさせようと生き生きと働いています。

制度を維持するために消費税は19%と高率です。ただし、貧しい人によりしわよせがいかないように、生鮮食料品だけは6%に押さえられています。

社会の人たちは、街に失業者が大量にあふれ出るよりよっぽどいいと、高負担を受け容れています。自分たちの実入りが少々減っても社会全体の大勢が救われる方がよいと考えているのです。いわば負担の分かち合いです。

それらを強力に推進したのは政治家であり、社会の人々ひとりひとりの意識のありようでした。

 

税金の無駄遣いをする役人や政治家については徹底的に追求されるべきですが、私たち自身も消費税などの負担について「安ければいい」ということではなく、社会全体の分かち合いという観点から考えるべきときが来ているのだと思いました。

だって、まともな職につくことをあきらめ、家を持つこともあきらめ、結婚も子供を持つこともあきらめるなんて、人間らしい生き方をことごとくあきらめる人たちがどんどん増えている現実があるのです。私たちひとりひとりが「あきらめないで、分かち合う社会」とはどんな社会かを考えなくては何も変わらない時に来ているのだと思います。

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