FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労災における通勤災害についてのあれこれ

私の今年の仕事始めは5日の区役所での相談業務でした。

そこで通勤中の事故による労災補償についてのご質問を受けました。

守秘義務がありますから詳細は書けませんが、通勤中にけがをしていざ労災が適用になるということになった時、なるほどこういうことが気になるものなのだなということがよくわかりました。

以前、概略については過去記事にしてありますので(参照)、それをご覧いただくとして、今日は通勤中に何らかの事故によりけがをして、労災が適用されることになったときに気になるあれこれというテーマで書いてみたいと思います。

まず治療費ですが、これは自己負担分は200円だけで、必要な治療費は労災保険でカバーされます。「労災指定病院」での治療が原則ですので、病院経由で所轄労働基準監督署長宛に請求書を提出します。

最初に病院に行った時に通勤中のけがであることを申し出れば、労災適用の患者として扱ってくれます。緊急で近くに指定病院などがなくやむを得ず指定病院以外で治療を受けた時には、かかった費用について現金給付が受けられます。

この場合の請求書は病院経由ではなく、本人が直接労働基準監督署長に提出することになります。いずれにしても請求書には会社の証明、印が必要ですので、会社に申し出てください。よく理解している担当者あるいは顧問社労士がついていれば会社が手続をしてくれます。

 

治療については傷病が治癒するまで受け続けることができます。退職後も同様です。

傷病が重く仕事ができない時には「休業給付」という一種の所得保障制度があります。

労災が適用になる傷病で仕事ができず賃金を受けない日が継続、断続問わず3日あった場合に4日目より支給されます。

この場合、賃金が支払われないということが要件です。平均賃金(注1)の100分の60未満の額であれば、支払われなかったとされて支給されるのですが、100分の60以上の額を賃金としてもらっていた場合には、休業給付は全く出なくなります。

100分の60を境に0か100かという給付なのです。

ですから、最初の3日間は有給休暇扱いとしても、その後については欠勤扱いとして賃金が支払われない状態(または、100分の60未満の状態)としなくてはなりません。

注1.事故の発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額を総暦日数で割って算出する。(臨時に支払われた賃金、3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賞与などの賃金は除く)

時間や日によって賃金が算定される又は出来高払いなどの場合は、賃金総額を労働日数で除して、その100分の60とする。

 

支給額は平均賃金の6割が労災から2割が労働福祉事業から支払われますから、最終的には平均賃金の8割が労働できない日数に応じて支払われます。

1日のうち一部労働した場合には、その労働した分の賃金を平均賃金の日額から差し引いた額の6割プラス2割となります。

傷病が重く、療養開始後1年6ヶ月経過しても治っていない状態で、その程度が傷病等級の1級から3級であれば、今度は等級に見合った傷病年金に給付が切り替わることになります。(年金額は平均賃金の245日分、277日分、313日分)

 

また、不幸にして重い障害となりその状態が固定化した場合には、障害の程度に応じて年金又は、一時金が支給されます。(労災の障害等級に該当する障害の場合)

日常生活に不自由するような障害の場合は、障害厚生年金に該当する可能性もありますが、この場合には厚生年金は全額受け取れますが、労災の年金は減額されて約7~8割を受け取ることになります。

給付については非課税ですし、同居の家族の収入の多寡は一切関係ありません。

 

傷病年金や障害年金を受けるような重症で介護が必要な場合には、介護給付、万が一亡くなった場合には遺族に対する給付もあり、ひとたび労災の適用対象となると、私傷病に比べ非常に手厚くカバーされます。

該当する場合には会社に申し出てしっかりと補償を受けましょう。

労災保険は全ての労働者が対象ですから、アルバイト、パートにも適用されます。

もし、障害厚生年金に該当するような場合には、「初診日」が非常に重要ですから、治療の経過などについてメモなどの記録を残しておくことも大切です。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する