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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

派遣切り騒動雑感

連日の派遣切りのニュースを見るにつけ、この国では「契約」ということがすごく軽んじられているんだなと感じます。

派遣期間満了で雇止めとするのはいいとして(労働法的には期間の定めがないと同視できるかが問題となりますが)、派遣期間の途中で雇止めするというのは完全に契約違反ですよね。

派遣先の大手製造業は派遣元の人材派遣会社と「これこれの期間に派遣社員を派遣してください」という契約を結んでいると思います。

契約した期間の間は派遣社員を受け容れる義務があるはずです。

それを途中でやめる場合にはなんらかのペナルティーを払うのが普通だと思うのですが、そういう契約にはなってないんでしょうか。

それとも、そういう部分は労働者には全く還元されないのでしょうか。

当事者同士が自由に内容を決めてよいという「契約自由の原則」がありますから、派遣先はいつでも自由に派遣元に対して派遣を断ることができるなんて契約内容になっているんでしょうか。

今回の一連の騒動を見ていて、派遣社員と直接雇用関係のある人材派遣会社の影が薄いなあと思います。

本来なら自社が雇用契約をしている派遣社員が派遣先を切られたら、契約期間が終了するまで別の派遣先を紹介するか、会社都合の休業扱いで賃金の6割を補償するのが雇用主としての責任であると思うのです。

 

社労士会の研究会などで裏話的な話を聞くと、派遣元の人材派遣会社もまた弱い立場なんだということを聞きます。

派遣先会社は、商品(派遣する派遣社員)を買ってもらう「お客様」あるいは「お得意様」ですから、なかなか対等な立場にはなれないし、相手の要求には極力従って他の人材派遣会社との競争に勝たなければならない。

ということのようなのですね。

 

結局、誰でもできる仕事に対して派遣を許したところに行き着くんだなと思います。

他にはマネのできないすごい商品であれば、それを求めるお客様とも対等な立場に立てますし、時には有利に契約をすることができます。

でも、どこにでもある商品であれば、買ってもらうためには値段を安くするとか使い勝手をよくするとか、サービスをよくするとかしなければ売れないということでしょう。しかも、生き残るために少々の法律違反はしょうがないなんて考えるようになる。

 

派遣法改正の動きがありますが、法律を改正しても一度「旨み」を知った業界はかつて偽装請負をして利益を上げていたように、何らかの方策を考え出すかもしれません。

問題は派遣法だけに留まるものではなく、雇用のセーフティネットはどうするのか、望んで働いている人はいいとして、心ならずも派遣社員になってしまい、そこからなかなか脱出できない人に対する支援する方法はないのか、もっと総合的に考えるべき問題だと思います。

それなのに、連日の政治関連のニュースを見てもあまりそういうことが聞こえてこないし、残念だなあと思います。

 

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