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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

解体前夜の社保庁の無残な現実

年金騒動が起きてから社労士会では第三者委員会や社会保険事務所などに社労士を派遣してきました。

派遣法に言う派遣ではなく、役所側の要請に応じて「人手」として所属する社会保険労務士を「日々雇われる臨時公務員」として送り出すわけです。

もちろん、無理やり派遣するわけではなく希望者を募り「支部長の推薦」という形式を経て行います。

私は社会保険労務士として仕事ができないのなら一切しないというスタンスですので、それらには応募しません。また、行けば自分の事務所の仕事などできなくなりますから。

私の支部からも第三者委員会、社会保険事務所とかなりの人数の社労士が派遣されています。

彼らに現場の生の状況を教えてほしいと思うのですが、忙しいせいか例会にも出てこなくなってしまうし、守秘義務の関係もあるせいか、支部掲示板などにもその種の投稿はほとんどありません。

今朝の朝日新聞に現場の「悲惨な」状況のレポートが掲載されていて、社会保険庁というのは何だったんだろうとあらためて思ってしまいました。

とにかく現在は照合作業最優先で、いつも年度末に集中的に行っていた滞納事業所への督促も進まず、第一線の職員が疲弊するばかりだということです。

レポートは西日本の社会保険事務局とありますが、マスクが必需品のような、ほこりにまみれ茶色く変色した紙台帳を取り出し照合作業をするのは、正規職員ではなく派遣職員です。

1日15人分のノルマがありますが、くせ字に旧字、転記ミスなど照合作業は容易ではありません。

本来熟練を要する作業なのに件数を処理しきれず、昨年夏ごろから派遣職員が投入され今ではほとんどが派遣職員だということです。

3ヶ月ごとの更新時に3分の2は一度も更新せず「作業が大変」とやめていくため、新規派遣職員への教育に大きな時間をかけることにもなっています。

 

全国の司令塔である東京の社会保険業務センターでも、800人が照合作業を行っていますが、正規職員は10人ほどで元社会保険庁OBが創設した民間会社に丸ごと委託していて、そこでも契約社員とその民間会社がさらに派遣会社に依頼して集めた派遣社員が作業しているそうです。

解体された後は民間組織である「日本年金機構」になるため、今までの公務員として優遇されていた労働条件、例えば法事休暇、夏季休暇がなくなり、無期限だった「病気休暇」は90日で打ち切り、都道府県内だけだった異動も全国転勤となる、多くは再雇用されるそうですが現場の士気は相当下がっているとか。

 

結局はできもしないことをすると言った政治判断に大きな問題があるわけですが、それを招いたのは年金管理のずさんさや、数々の不正行為であるわけです。さらに、それは組織の人事制度の風通しの悪さにあると記事では解説しています。

厚生労働省採用のキャリア官僚、社保庁採用の職員、地方採用の職員と三層構造で、都合の悪いことは上層部に伝えず、2~3年で変わるキャリア官僚も面倒なことは知ろうともしない、これではいい仕事などできるわけもないですよね。

 

何故、そういうことが今まで明るみに出なかったのか。

国民が役所を信頼し過ぎたせい?

自分の国の役所を信頼するのはある意味当たり前ですよね。

やはり、情報公開が遅れていたというところに原因があるのではないかと思います。

今後は行われる予定の「ねんきん定期便」のようなことが行われていれば、納めたはずが納めていないことになっているとか、標準報酬月額が安く改ざんされているとかは、すぐばれますよね。すぐばれることはやらないでしょう。

国民がコツコツ働いて納めた保険料を管理して老後の生活を保障するという非常に大切な役所が、実際には機能していなかったのです。

そして、この後に及んでもまだ窓口業務や照合作業を正規職員はほとんどやらず、派遣職員に丸投げしているとは。

大切な個人情報の保護は大丈夫なんだろうかと気になります。

 

そして、そのような体質のまま、組織が名前を変え、民間組織となったからといってがらりと変われるものなのだろうか。

一定の既得権益を守るのは大切ですが、組織として機能していなかった以上、本当の意味での解体をするべきなのではないか。

「日本年金機構」の社員は、国民の大切な年金をしっかりと管理するという意識の高い人であってほしいと思います。

社労士会が名乗りを上げて委託事業としてやるのもありなのでは?基本的には真面目な人が多いですから、社労士は。

社労士試験に受かっても実際に登録していない予備軍もかなりの数いるはずですから、やる気になればできるのではないのかなと思うのですが、新しいことに打って出ようという組織ではないので、多分無理でしょう。

社保庁から再雇用されるのは1万人と記事にありますが、広く国民から公募して公正な試験をして、再雇用されるならそれでよし、ダメな人は新しい人と入れ替わってもらう。

私としてはそれが一番すっきりするんですけれど。

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