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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

社会のあり方と関わってくる労働時間

名ばかり管理職の問題は当ブログでも度々取り上げてきました。(過去記事参照)

これまでは主としてコンビニや飲食店など、いうなれば客商売というような業種で問題となることが多かったと思いますが、昨日、東京地裁ではIT関連企業の「課長代理」も名ばかり管理職と認定して、未払い残業代4500万円の支払を命じる判決を出しました。

経営者と一体となっているような経営に対する権限もなく、人事権や労働時間に対する裁量がなければ、労働基準法41条2項にある「監督若しくは管理の地位にある者」には当たらない=労働者=残業代を払わなければならない。とする考え方は、昭和22年、63年と通達が出されています。

しかし、なかなか企業には浸透していないようで、この種の裁判や労基署からの勧告などが繰り返されています。

最近、ようやくリスクの大きさが自覚されるようになり、大手企業などではその辺の見直しをしたところもあるようですが、こういう裁判で出てくるのは多分氷山の一角なのでしょう。

前述のIT企業の原告は3人で、多い時はひとりで月200時間もの時間外勤務をしたと報道されています。

働き過ぎによる傷病の労災が認められる目安の「直前1月100時間、2~6ヶ月の平均80時間」を大きく上回っています。

ITシステムという特殊性を加味してもやはり労働の量と質に対して労働者の数が足りないのでは?と思ってしまいます。

この種のニュースを聞いていつも不思議に思うのは、会社というのはどうして労働の量に見合った労働者を雇わないんだろうということです。

確かに、労働者一人を正社員として雇うと会社はそれなりに負担があります。

労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金の会社負担分だけでも賃金の15%(ごく大雑把な数字です)は会社負担ですし、賞与や退職金、その他教育訓練、福利厚生、採用にもそれなりのコストがかかる、と考えてくると、やはり社員数というのは極力押さえた方が利益が上がるんでしょうか。

 

私はそうは思えません。

過重な仕事量を押し付けられた労働者が、入社後何年かして慣れた頃結局疲弊して仕事ができなくなれば、会社にとっては大変な損失です。

つぶれないまでも、仕事の質を考えた時過労というのは大きなマイナス要因となるでしょう。適性な仕事量により生産性も上がるし労働者も生き生きと働き、新しいアイディアなども生まれるのではないかなと思います。

残業が異常に多い会社だということが世間に知れ渡れば人材を得るのも難しくなるかもしれません。

と、書いてみたものの、残業代を収入源としている労働者もたくさんいるだろうし、そうなると賃金体系そのものも見直していかないと、人を増やして労働時間を減らすと収入が減って困る労働者もいるという、昨今の「ワークシェアリング」の話にも似てきます。

 

結局少ない人件費をみんなで取り合っているという状態なんだろうか。

過労死寸前まで働いてもいいから収入が高い方がいいと考えるのか、収入が減ったとしても仕事以外に使える時間が多い方がいいと考えるのか。

じゃ、何故、身を削ってまでも仕事をして収入を得たいのか?

この国の生活のコストが結構高いのではないかというところに行き着きます。

都市部では家賃や住宅ローンなど住宅にかかる費用が高い、教育費もかかる、大病すれば医療費もかなりかかる、外食、旅行などレジャー費も結構金がかかる、年金、介護など老後の不安もある、等、等、

結局、どういう働き方をするのかということは、どういう社会にするのかということ、社会のあり方に大きく関わってくることなのですね。

この国はどこへ行って何を目指すんだろうか。そういう議論をもっと政治家にはしてほしいと思うのですが・・・。

 

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コメント


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かつての財務大臣が、理念型の思想など何の有効性も持たないと言っていましたが、そういう彼も単なる現状追認の思想しか持っていないのではないでしょうか。おっしゃるように、この国の目指すところを明らかにしなければ、すなわち理念がなければ、激しく変化する現代社会を必死になって追いかけて分析するだけの学者でしかないのだと思います。

中高年社労士の雛 | URL | 2009年03月10日(Tue)17:05 [EDIT]


彼らはいかに金儲けをするかという視点しかないのかもしれません。それが経済を語ることだと思っているのかもしれませんね。
いろいろな考え方があっていいし、私はそれを否定はしないけれど、私自身は人としてどう生きたらより良く生きられるかを考え続けたいと思います。

おばさん社労士 | URL | 2009年03月10日(Tue)21:12 [EDIT]