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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(7)労働時間等の適用除外者

会社で「部長」とか「課長」になり、役付き手当がつく代わりに残業代はなしというのはよくある話だと思います。

昨日の記事の続きみたいなところですが、今日は労働基準法上の「管理・監督者」について書いてみます。

役職者に残業代をつけないという根拠は労働基準法第41条(注1)だと思いますが、「名ばかり管理職」裁判にみられるように、法律の趣旨を曲げて勝手に解釈した結果の運営の仕方が現在問題となっています。

〔注1〕労働基準法第41条  この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩、休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。 

(1)別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者

(2)事業の種類にかからわず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

(3)監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

(1)は農業と漁業で、これらは時間を決めて仕事をするというやり方にはなじまないということです。(3)は、精神、身体的にも緊張の少ないのんびりした監視業務や手待ち時間が多い業務ということですが、最終的に許可制ですからあまり問題も起きません。

問題となるのは(2)ということになります。

(2)の後半にある機密の事務を取り扱う者とは経営者の秘書などで、経営者と一体的に行動するため、厳格な労働時間にはなじまないということで外されるわけです。

では、「監督若しくは管理の地位にある者」の要件は? ということで通達が出されています。

部長とか工場長とかの名称にとらわれず、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者、さらに、実態に即して判断すべきとされています。

 

これらの人が何故労働時間、休憩、休日の規定から外されるのかという趣旨についても通達で説明があります。

これらの人は重要な職務と責任を有し、規制の枠を超えて活動されることが要請されざるを得ないからと説明され、だからこそ、現実の勤務態様も、労働時間の規制になじまないような者に限って適用除外が認められるとしています。

「その範囲はその限りに、限定しなければならないものであること」と念押しまでしています。

 

実態を判断する着目点として、職務内容、責任と権限、勤務態様を挙げ、他に地位にふさわしい待遇を挙げています。裁判例でも同様な考え方をしています。

決められた仕事をマニュアルどおりやり自分の裁量の幅が狭い、労働時間も決められている、人事権などの裁量もなく経営にも参加していないなどという場合は当然該当しません。

待遇にしても、平社員の時の方が給料が良かったなんていうのでは該当しません。その場合は当然、法定時間外や休日に勤務をすればそれに見合った割り増し賃金が発生します。

ということで、法律の解釈上はかなり限定的にとらえているわけですが、現実には残業代を払いたくない企業側の思惑で幅広く解釈されていて、「偽装管理職」、「名ばかり管理職」問題となっているわけです。

 

法律の解釈について説明されている通達を読めば、かなり限定的に解釈すべきだということはわかると思うのですが、何で今日の状況が生まれたのか不思議です。法律というのは、ただ書いてあることだけを教条主義的にやればいいというものではなく、その趣旨を尊重してそれに沿って実行してこそ本当の意味でのコンプライアンス(法令遵守)となるのです。

もしかしたら誤った解釈を助言した「専門家」でもいたんでしょうか。

この条文には深夜労働とは書いていないので、たとえ管理監督者であっても、深夜業(午後10時から午前5時まで働いた場合)についての深夜割増手当ては必要です。また、当然のことながら、有給休暇については、法定どおり取得することができます。

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