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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

研修期間中でも労働者

ある労組系のメルマガを配信してもらっていますが、労働者からの様々な相談が掲載されています。

先日は以下の内容のものが掲載されていました。

就職が決まり、3ヶ月の研修期間に入った。研修期間中保険はなく、残業、深夜勤務手当もなく、その代わり初年度からボーナスを支給してそれを残業手当とする。

という条件であったが、始まってみると1日の労働時間が12時間、14時間に及ぶこともあり、時には休憩がないこともある。これでは身体がもたないとやめることにしたが、働いた分の賃金はほしい。残業代など払ってもらうにはどうしたらよいか?

労働基準法では「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者」を労働者と規定しています。(労基法第9条)

労働者であるならば労働基準法が適用されて、労基法にある労働条件の基準をクリアーしなければなりません。

研修期間中であっても「就職が決まり」とありますから、労働契約が成立して働き出したということで、当然「労働者」ですね。

「研修期間」というのは「見習い」というような解釈なのでしょうか。

「試用期間」とも違うようですね。会社側の話がみえてこないので、その辺はよくわかりません。

いずれにしても、時間外、深夜の割増賃金の適用対象者となります。

変形労働時間制、みなし労働時間制などをとっていなければ、1週40時間、1日8時間を超えれば時間外労働割増賃金が発生しますし、午後10時から午前5時までの間に働けば深夜割増賃金が発生します。(どちらも2割5部以上、時間外が深夜に及べば5割以上)

 

「休憩がとれない」。これも違反です。

労働時間が6時間を超えたら少なくとも45分、8時間を超えたら少なくとも1時間の休憩を与えなくてはいけないことになっています。(労基法第34条)

「やめるにしても残業代などをもらいたい」

これも当然の権利ですが、それをきちんと立証できるように労働時間を自分で記録しておかないとなかなか難しいですね。

会社にタイムカードや出勤簿があり、労働時間管理ができていればよいのですが、会社が勝手に改ざんしているような場合もありますから、自分でしっかり記録しておくことが大切です。

自分で労働時間の記録をつけておき、やめる時に会社に請求して、断られたら最寄の労働基準監督署に申告してください。というのが解答です。

 

私でも、同じような解答になったとは思いますが、最初にどういう話で契約したのか気になるところです。

「残業代を出さない代わりに初年度より賞与を出す」

というのは、本来働いた分に見合った賃金はできればその都度、締め切り期間の関係などがあって、多少のタイムラグがあったとしても、全額を通貨で毎月1回以上定期的に支払うのが労基法上の規定です。

支払を先延ばしするようなことは、本来は許されません。

ということで、「残業代を払わずその分賞与で」なんて言い出した時点で、ちょっと怪しい会社ということになります。

 

「保険に入れない」

これも試用期間中は社会保険に加入させないという話などもよく聞きますが、適用事業所で、試用期間中でも報酬が支払われて常用的使用関係にあれば加入しなければなりません。全ての法人事業所は適用事業所となります。

加入しなくてよいのは、①日々雇われる者→1ヶ月超えたら加入

              ②2ヶ月以内の期間を定めて雇用される人→所定の期間を超えて引き続き  使用されるようになったらその日から加入

              ③季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人→4ヶ月超えたら加入。最初から4 ヶ月以上の予定なら最初から加入。

              ④臨時的事業の事業所に使用される人(6ヶ月以内)

以上からも、「研修期間中は保険には入れない」などと言うのは、法令遵守意識の低い会社であると言えます。

 

労働者の立場は弱いし、すぐに仕事がほしい場合もありなかなか難しいとは思いますが、法令遵守意識の低い会社に入ってもいいことはありません。そんなことも会社を選ぶチェックポイントとしましょう。

労働者が「法令遵守意識の低い会社は選択しない」、そういう流れになれば、会社側も意識を変えざるを得なくなると思います。

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