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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(8)休業手当て

最近、製造業などで受注が減り生産調整のため休業したり、時間を短縮したりするというような話をよく聞くようになりました。

そういう時は、会社は労働者に休業補償をしなくてはいけないということが労働基準法で規定されています。(注1)

〔注1〕第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

この「平均賃金」とは、事由の発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金の総額(税金や社会保険料を天引きする前の総支給額)を3ヶ月間の暦日数で割った金額です。(賞与や臨時に支払われた賃金は除きます)

会社の都合で仕事を休ませた場合は、会社は労働者に60%の賃金を補償するという規定です。

会社に責任のある休業ということですから、天災など会社にとって不可抗力によるものは除きます。

今年のように景気の動向により新規学卒内定者に対して、自宅待機の措置などをとった時にも休業手当が必要だという通達が出ています。

以前、私の所属する研究会で問題となった事例で、労働者が何か不祥事をしたときに、懲戒処分が決まるまで自宅待機を命じた場合も、労基法26条の「休業」にあたるとして休業手当を支払うということについて、労働者が悪いのに手当を支払う必要があるのか?というのがありました。

これは「払う」が正解です。判例もあります。

 

研究会での事例は、横領が発覚した社員に対して、社内の処分が決まるまで証拠隠滅などを防ぐため自宅待機を命じたが、その際には会社都合の休業として6割の賃金を払うというものでした。

休業原因については本人に責任があるとはいえ、その間を無給にしてしまうとそれが制裁処分ということになり、横領に対してあらたに懲戒処分をすることができなくなるという考え方です。

「一事不再理」という考え方で、ひとつの事件に対して一つの裁きというようなもので、横領についての懲戒処分は一つということで、もし自宅待機中無給にするとそれが処分になってしまうということになるのです。

 

使用者側の責任というのはかなり広くとらえられていて、経営上や管理上の障害も含むとされます。

使用者の責任ではないものとしては、労働安全衛生法の規定による健康診断の結果によって休業させるような場合は、使用者の責任ではないとされます。また、正当な争議行為により休業する場合などは使用者の責任ではないとされます。

1日のうち一部が休業した場合には、その日1日をトータルで考えて賃金が平均賃金の100分の60に満たない場合は、差額を支払うということになっています。

会社が休業する場合には、原因をしっかりときいて、会社の不可抗力以外の休業であれば、最低でも平均賃金の6割を支給してもらう権利が労働者にはあるということです。

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