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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

産前産後の検診のための休業は権利です。

近年、妊娠中に全く検診を受けずに産気づいていきなり救急車で病院に駆けつけ出産するというケースが報道されています。

病院側としてはその妊婦さんの日頃の状態を把握できていないため、リスクが大きいとして受け入れを断る場合もあるようです。

昔ほどではないにしても、お産というのはまかり間違えば死に直結する危険を伴うというのは、現代でも同じです。おなかの中にいるときから赤ちゃんや母体の状態をしっかりと把握することが安全なお産につながるのですね。

受け入れを拒否する病院にもそれなりの理があるのだと思います。

背景には、女性の貧困問題があります。妊娠中の検診の費用がなくて通院したくてもできないのです。

国は子育て支援として妊婦検診費用一人当たり5回分(54,000円)を地方に交付しているそうですが、14回の検診受診が望ましいということで、自治体によっては無料にする回数を増やしているところもあるそうです。

私の住んでいる埼玉県でも4月から全市町村で14回分が無料になったということが、朝日新聞の埼玉版に報道されていました。

記事中に母子愛育会県支部の理事の談話があり、

「仕事などで定期的な受診が難しい人もいる。受診の大切さを理解して、市町村も支援策をPRしてほしい」などとありました。

男女雇用機会均等法では、事業主に対して妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置として、「母子保健法の規定による保険指導又は健康診査を受けるために必要な時間」の確保を義務づけています。

また、「女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため」勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を義務づけてもいます。

 

母子保健法によるそれらの検診とは、

①妊娠23週まで   4週に1回

②24週~35週まで 2週に1回

③36週~出産まで  1週に1回 但し、医師が異なる指示を出したときはそれに従う。

産後1年以内は医師の指示による、となっていますので、事業主はこれらの時間を確保しなければなりません。

以前、10年ぐらい前の就業規則を見直したことがありましたが、これらの規定がすっぽり抜けていたので書き足したことがあります。

労働基準法にある産前産後休業については事業主さんにも浸透していますが、この妊婦検診についてはまだまだ知られていないのでしょう。これは義務規定ですから、就業規則にもしっかりと書くべき事項だと思います。

事業主側としては、トラブル防止のためにも法律にはない請求の手続方法や無給にするか有給にするかなどもしっかり就業規則で定めるとよいでしょう。

 

妊娠中の女性労働者の皆様、検診に行く時間の確保は母性保護の観点から事業主に義務づけられています。堂々と請求して母子ともに健やかなマタニティライフを送ってください。

均等法は全ての労働者が対象ですから、正社員のみならずパート、アルバイト等にも適用されます。もし、事業主さんが「そんなの困るよ」とか「じゃ、やめて」なんて無理解な態度でしたら、各県の労働局の雇用均等室(参照)にご相談ください。

と、ここまで書いてはみましたが、現実には雇用をきられることを恐れて妊娠していることを隠して働く労働者もいるようなのですね。ネット上にはそんな話が散見されます。

妊婦を迷惑がらずに祝福して社内で「おめでとう、よかったね」という機運を盛り上げるような会社が一つでも増えてくれるとよいなあと思います。

妊娠中の保護規定については以前過去記事にしたことがあります。興味のある方はご覧ください。(参照)

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