FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働契約法の意義

ある方からご依頼を受けて来週労働契約法についての勉強会の講師をすることになっています。

労働契約法は昨年3月より施行されている新しい法律ですが、私は社労士としての守備範囲の法律ということでそれなりに勉強をしてきました。

今年の1月には地元の商工会議所でのセミナー講師も務めさせていただきました。(過去記事参照)

今回お話させていただく勉強会は、社労士試験に合格して今後資格を生かしていきたいという方たちや、既に開業している方も少数いらっしゃるということで、一般の方々よりも少し突っ込んだ法律論などもしようかなと思っていますが、ほとんどが法学部のご出身ではなく、法律についての知識はあまりないとも伺っているので、その辺のさじ加減をどうしようかと思案中です。

そんなわけで、労働契約法の意義などについても自分なりにあらためて考えています。

まず、何故、今「労働契約法」なのかということについては、個別労使トラブルの増大ということが背景にあります。一昔前までは労使トラブルというと労働組合対会社だったわけですが、労働者個人対会社のトラブルが非常に増えています。

オイルショック、バブル崩壊、グローバリズムによる競争などの経済情勢の変化、製造業の減少とサービス業の増大などの産業構造の変化により、企業が正社員を減らしたために、雇用形態が多様化して、労働者の労働条件も個別化したためと言われています。

さらに、インターネットなどで情報を集め労働者が権利を主張しやすくなったということもあると思います。

それらの個別労使トラブルを防止するためには、労働契約は契約関係なんだという原則に立ち返り、契約としての在り方、考え方をしっかりとルール化する必要があったわけです。

 

労働契約法は1条から19条までの小さな法律です。

18条と19条は船員と公務員の適用についての条文ですから、実質は17条までということになります。

労働法的には常識とされるような判例で確立した考え方や解釈がそのまま条文となっているものが多く見られます。

そのため、罰則もないし、言い古されたことが条文になっただけで大したことのない法律という意見もありますが、私はそうバカにしたものでもないと考えています。

確かに、この法律で条文となっている考え方、例えば「安全配慮義務」とか「就業規則の不利益変更について」などは、今までも判例を参考にして、「こういう裁判例があるから、同じように考えてみたらどうですか」とか、「同じような事例の裁判例でこう考えていますから、同様に考えるのが妥当です」と言って労働相談やあっせんの場で解決が図られてきたということがあります。

 

しかし、「拘束力」と言う点では、判例法理というのは裁判の場では力を持ちますが、現実の社会では、「裁判するわけじゃないし、絶対そうしなくちゃいけないということではないんでしょ」と言われてしまえば拘束力はないわけです。

でも、法律条文となって出てくれば現実社会での拘束力もあります。この社会で生きていく以上「法律なんて関係ない」と言うことはできないからです。

また、こういう法律ができたということにより社会の意識というものがじわじわと変わる可能性があります。「労働契約」というものに対して、何か気をつけなくてはいけないんだろうかという意識が生まれるのではないかと思います。

平成19年4月には男女雇用機会均等法が、20年4月からはパートタイム労働法が改正されパワーアップしています。それぞれ、最初に作られたときから、20年、15年とたってからの改正ですが、労働契約法も今後の社会経済情勢の変化や人々の意識の変化により、大きく生まれ変わる可能性も大いにあると、私は考えています。

労働契約法について興味のある方は厚生労働省のHPをご覧ください。(参照)

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する