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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

定年後の再雇用に疑問を持つ若い人の意見

昨日、新聞の労働問題を扱ったページの片隅に以下のような投書が掲載されていました。

大学で非正規雇用として事務職についている30代女性からで、

職場に定年後の再雇用で非常勤職員となった人たちがいるが、パソコンの基本操作すらできない人、仕事嫌いの人、耳が遠くて電話に出ない人などがいる。それでも派遣職員より時給が高い。退職金を払った上に過剰な再雇用をする必要なんてないのではないか。

業務効率よりOBの「小遣い稼ぎ」を優先しているとしか思えない。技術職ならともかく事務職は不要だと感じる。

と、この方の立場にたてばもっともなご意見ですが、改正高年齢者雇用安定法とのからみがありますから、簡単に排除することはできないのです。民間だともっとシビアに運用しているとは思いますが。

「改正高年齢者雇用安定法」(正式名称は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」)をちょっとおさらいしてみましょう。平成18年4月1日より施行となっています。

この法律は65歳までの安定した雇用の確保が目的です。昭和16年4月2日以降生まれの人(女性は21年4月2日以降生まれ)について、厚生年金の受給年齢を段階的に60歳から65歳に引き上げることにより出てきた改正です。

まず、60歳未満の定年年齢を定めることはできません。

65歳未満の定年を定めている場合は、

①定年年齢の引き上げ

②定年年齢はそのままで継続雇用制度を設ける

③定年制を廃止する のどれかの措置をとらなければなりません。

②の場合、いったん定年退職とした後に再雇用する(再雇用制度)、退職させずに引き続き雇用する(勤務延長制度)という二つの方法が考えられます。最低限年金を満額受給できる年齢までの雇用の確保が目的ですので、平成22年3月31日までは63歳、25年3月31日までは64歳、25年4月1日以降は65歳までの継続雇用が必要となります。

 

前述の職場は、再雇用制度をとっているということなのでしょう。その場合、原則としては希望者全員を再雇用しなければなりませんが、労使協定により基準を作って基準に基づき選別することができることになっています。

なお、常時従業員が300人以下の企業は平成23年3月31日まで、この基準を就業規則により設けることができます。

ということで、民間会社の場合は基準を作って選別している場合も多いと思います。その場合に事業主が恣意的な選別をすることは許されません。誰がみても理解できる客観的で合理的な基準でなければなりません。

 

投書の中の耳が遠いというのは、「直近〇年間の間で健康診断に異常のなかった者」とか、「心身ともに健康で支障なく業務を行うことができる者」というような基準があれば、ひっかかりそうですよね。

パソコンの基本操作ができないというのも、「ワード、エクセルの基本操作ができ、10分間で〇文字以上の入力作業ができる者」というような基準があればひっかかりそうです。

派遣社員より時給が高いというのも、再雇用後の給料が今までの半額なんていうのは民間ではよく聞く話なので、この職場が特殊なような気もします。法律では労働条件までは規定がなく、パートなどでも再雇用として認められます。

 

ただ、年をとるというのは誰でもが通る道です。投書の職場はいろいろ考える余地があると思いますが、世代間で対立してしまうのは本当に残念です。ちょっと前までは60歳で満額受給できていた厚生年金が65歳からになったというところに原因があるわけですから。

これは、少子高齢化になることがわかっていながらもっと早く策を講じなかったどころか、ずさんな管理を行っていた政治家と官僚が悪いと思うし、また、それを許していた国民全体の責任なのかなとも思います。

国民は知らされていなかったから仕方ない面もありますが、政権交代ということが当たり前のように行われていたら、官僚も政治家ももっと緊張感を持って仕事をしたと思いますし、もう少し世の中変わっていたのかなあなんて、ないものねだりをしてしまいます。

各世代が特徴を生かして社会に関わり、支えあって思いやりをもてるような社会なんて夢物語なんでしょうか。

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