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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(11)労働条件の文書明示

労働契約というのは、労働者が仕事をして使用者がそれに見合った賃金を払うという契約です。

労働者は仕事をする義務と賃金をもらう権利があり、使用者は賃金を支払う義務と仕事をさせる権利を持つという契約関係です。

「契約自由の原則」により、内容、すなわち労働条件については法令違反や著しく社会的倫理に反しない限り、お互いに話し合って自由に決めてよいことになっています。

民法的にはたとえ口約束であっても、互いの「雇います」「雇われます」という意思が合致していれば労働契約は成立していることになりますが、労働基準法では、労働契約を締結するときには、重要な労働条件について書面で明示することが義務づけられています。(注1)

言った言わないのトラブルを防止して弱い立場の労働者を保護するための規定です。

〔注1〕労働基準法第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

前述の条文の厚生労働省令で定める方法というのは「書面の交付」となっていますので、使用者は、一定の労働条件については文書に書いて渡さなければならないということになります。

書面での明示が義務付けられる労働条件とは以下のものです。

①労働契約の期間

②就業の場所、従事する業務

③残業の有無

④始業、終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替勤務の場合の勤務形態

⑤賃金(退職手当、臨時の賃金を除く)の決定、計算、支払の方法、締め切り時期、支払い方法、支払時期、昇給(昇給については口頭でもよい)

⑥退職に関する事項(解雇の理由を含む)

以上は労働基準法での規定ですが、昨年4月よりパートタイム労働法ではこれらに加えて、昇給、賞与、退職金の有無を文書で明示することが義務づけられています。ですから法律上は、通常の労働者に比べ短い時間で働く労働者については、書面で明示する事項が多くなっています。

通常、労働契約書といっしょに「労働条件通知書」というような書面を渡すのが一般的です。

 

昨年3月より施行の労働契約法では、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるものとする」(第4条第1項)という条文がありますので、ただ、書面を渡すだけではなく説明することが求められるようになりました。

書面で明示して説明することがトラブル防止の第一歩ということだと思います。

明示された労働条件と実際の労働条件が違った場合はどうなるのでしょうか。

例えば、「残業はありません」と説明を受けていたのに実際には残業時間が多かったというような場合です。

先ほどの労働基準法の条文の第2項で、そのような場合、労働者は「即時に労働契約を解除することができる」となっていて、更にそうなった場合、第3項で、その仕事に就くために住居を変えた労働者が14日以内に帰郷する場合は、使用者が旅費を負担しなければならないとも規定されています。通達ではこの旅費について家族の分も含まれるとしています。

 

法律では労働条件について最初の話と違う場合について、厳しく考えていることになります。

実際にはどうなんでしょう。いったん就職してしまうと少々違ってもそのまま我慢してしまうということもあるかもしれませんね。

労働条件というのは働く上で最も重要ですし、書面をもらってもわからないことがあったらきちんと確認して、納得して働くということが大事だと思います。

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