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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

有期雇用者が簡単に切られる現実

厳しい雇用情勢の中で有期雇用者が簡単に切り捨てられるという違法な現実があるようです。

今日、新聞の投書欄で見た例は、

7ヶ月も就職活動をしてやっと3月から契約社員となったのに、7月で仕事がなくなり100人ほどが余剰になるという話があった。まだ、解雇するとは言われていないが、そういうことなら最初から応募していなかった。

という例です。

契約社員ということは多分契約期間が1年とか6ヶ月とか決まっていると考えていいのでしょうか。

その辺のところは書面で明示する義務のある労働条件(過去記事参照)に含まれますので、まず雇用契約書又は労働条件通知書などを確認します。

もし、そんな書面を事業主側が出していなかったら、労働基準法第15条第1項違反であり30万円以下の罰金という罰則も規定されています。

この投書者の場合、100人の余剰ということは社員数も多い会社でしょうから、多分書面はちゃんとあるでしょう。

そこに、契約期間が書かれていることと思います。

もし、期間を定めていない場合には、通常の解雇権濫用法理が適用されますから、
客観的に合理的な理由があり社会通念上相当であると認められるような理由がなければ解雇できません。仕事がなくなったからというのであれば「整理解雇」となりますから、①解雇の必要性 ②解雇回避努力をしたか ③人選の妥当性 ④会社側が社員に説明と協議を尽くしたか などが厳しく問われることになります。

 

期間が決められている場合には有期労働契約ということになりますから、民法628条、労働契約法17条により、やむを得ない理由がなければ期間満了前の解雇は認められません。

事業主側は正社員よりも期間雇用者を簡単に切り捨てられると考えているようですが、契約関係の縛りを受けるのはむしろ期間を定めた場合です。期間満了まではよほどの理由がないと契約解除はできないわけですから。

最初に約束した雇用期間は自分の勝手な理由で解除すれば、損害賠償の責任を負わなければなりません。「やむを得ない理由」というのは天災などの不可抗力を想定しているものと思われますが、その他の理由であってもそれについて何らかの過失があれば、やはり損害賠償の責任は生じます。「契約関係」でいえば、有期労働契約というのは、「その期間中は必ず雇い続けます」という性質のものなのです。

 

また、有期労働契約についてはトラブル防止のために厚生労働省から「契約の締結、更新雇止めに関する基準」という告示が出ています。

契約締結のときには①契約更新の有無 ②更新があるのなら、更新する場合としない場合の判断基準 を明示するようにとなっています。

また、①3回以上更新している ②1年を超えて継続して雇用しているか1年を超える契約期間の場合は雇止めする場合には30日前に予告をすることが求められています。

この辺も労働者側としては契約締結時にしっかりと確認しておきたい事項です。

 

前述の投書者の契約内容がわからないので何とも言えませんが、もし、途中で解雇なんていう話になったら、せめて雇用保険が適用となる6ヶ月たってからにしてもらうとか、契約期間満了までの間の給料を補償してもらうとか、交渉の余地はありますね。

また、解雇となった場合には解雇理由の証明書を請求してきちんと理由を明らかにしてもらった方がよいでしょう。事業主は労働者の請求があれば遅滞なく書面で交付しなければならないことになっています。(労働基準法22条)

書式はこちらからもダウンロードできます。上から20番目の「退職証明書」です。(参照) 事業主がぐずぐずしていたらこの書面を出して書いてもらいましょう。

 

雇用保険では、自己都合退職者に比べ解雇された人は優遇されますので、理由がはっきりしていれば手続のときにスムーズです。

原則として有期労働契約の期間満了前の契約解除は労使ともにできないのですから、途中で解約という話になった場合は理由を明確にしてもらうということが最も大事だと思います。

前述の投書者の場合、回りの人は早くも就活をしているとか。腑に落ちないと思っても声を上げるというのはやはりなかなか難しいことなのですね。ごちゃごちゃするのはいやだという気持ちもよくわかりますが、「契約」なのですから、主張すべきことは主張してもよいのではないかと思います。

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