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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

社員の誰かが裁判員に選ばれたら?

企業の裁判員制度への対応については過去何度か記事にしたことがあります。(参照)

昨日、所属する研究会の定例会で、裁判員制度と就業規則の関係を原稿にしてきた会員がいていろいろと議論が出ました。

過去記事にもありますが、裁判員制度については最高裁判所のHPで裁判員制度のサイトがあり、とても丁寧に説明されています。(参照)

それでも、みんなであれこれ話していると「うーん、そういうこともあるよね」的な話がいくつかあって、私にとってはとても興味深かったです。

中でも守秘義務について、社内に裁判員に指名された社員が出た場合、会社としての対応はどうするべきかというようなことが、私自身あまり深く考えていなかったので考えさせられました。

裁判員法(正式名称は「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」)101条第1項では、「何人も(ナニビトも)」裁判員や裁判員候補者の氏名、住所、その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならないとされています。

全ての人は裁判員や裁判員候補の個人が特定できる情報を公にしてはならないということです。ここでいう公とは不特定又は多数の人が知り得る状態にすることだと、前述の裁判所のHPには説明されています。

ですから、就業規則で裁判員候補になったことや、呼び出しを受けたことについて使用者に報告することを義務づけるのは、違反とはならないとも説明しています。

労働者側としては裁判員の務めを果たすために休暇を請求する時に、自分の都合ではなく、労働基準法第7条にある「公の職務」を果たすための休暇であることをはっきりさせたいでしょうし、使用者側もそうとわかれば拒むことはできないことになっていますから、使用者に「私、裁判員(候補も含む)に選ばれました」と明かすのは仕方ないでしょうという判断だと思います。

 

この裁判員の個人情報を守るという規定は、刑事裁判に関わるわけですから、犯人やその関係者による報復がないとはいえず、やはり重要な事項であると思います。

大きな会社などでは、有給扱いで特別休暇を認めるというような所もあるようですが、昨日原稿を提出した会員の関与先の零細企業では、裁判員がもらう日当を会社に納めさせてもいいのかなどという相談もあるとかで、やはり、社内規程を整備しておかないと今後混乱が生じる可能性もあると思います。

前述の守秘義務の関係で言えば、小さな会社などですと、社員の誰かが裁判員になるとみんなが知ってしまうという事態になるかもしれません。社内だけに留まっていればまだ不特定多数に知られた状態とは言えませんが、家族や友人、取引先にもししゃべってしまうと、どんどん広がり結局「公にする」ことになってしまうかもしれません。

就業規則等で社員の誰かが裁判員になったことを知ったとしても、口外してはならないというような規定も作る必要がありそうです。

裁判員制度というのは今後いろいろな問題が出てくるかもしれないねというのが、昨日の研究会での結論でした。

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