FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(13)解雇を制限する期間

久し振りに労働基準法再読の記事を書きたいと思います。

期間の定めのない労働契約の場合、使用者は「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる」理由があればいつでも労働者を解雇することができます。

その場合には、原則として(注1.)30日前に予告をするか解雇予告手当てとして平均賃金の30日分を支払って即日解雇とする、又は予告日数+手当ての日数の合計が30日となるようにして解雇しなければなりません。

〔注1.〕天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合と労働者に責任のある解雇の場合は(その事由について最寄の労働基準監督署の認定が必要)解雇予告手当てを支払わなくてもよい。

期間の定めがなくてしっかりとした理由があり、それなりの手続を踏めば解雇はいつでもできるということになりますが、労働基準法では、解雇してはならないとする制限期間が定められています。

それは、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため休業している期間とその後30日間、産前産後のための休業をしている女性の休業期間とその後30日間です。(注2.)

〔注2.〕労働基準法第19条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。但し、使用者が第81条の規定によって打ち切り補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りではない。

業務上の負傷または疾病ですから、仕事中にその仕事をしていることが原因でけがをした場合とか、仕事が原因で病気になった場合です。多くは労災により治療を受けていると思いますが、会社によっては労災隠しをする場合もあるようなので、必ずしも労災の補償を受けていないかもしれません。

仕事中にその仕事をしていることが原因で負傷や疾病になった場合は、メモ書き程度でもよいですから、日時や客観的状況を説明できるようにしておいた方が、後で労災を申請したい場合や会社とトラブルになったときに役に立ちます。

最近、よくトラブルになるのは業務上の原因でうつ病になったなどの場合です。精神疾患の場合は原因の特定が難しい場合もありますし、業務との因果関係を証明するのも容易ではないようですから、やはり病気の記録をとっておいた方がよいでしょう。

 

業務上の負傷、疾病だということがはっきりしている場合は、療養のため仕事を休んでいる期間と復帰してからの30日間は解雇ができないというのが第19条の規定です。

これは産前産後休業中の女性も同じで、休業中と復帰後30日間は解雇できません。

長期間治らない場合はずっと雇い続けるのかという疑問が出ると思いますが、療養開始後3年たっても負傷、疾病が治らない場合に、使用者は平均賃金の1200日分を支払い(打ち切り補償といいます)解雇することが可能となります。

労災の補償を受けている場合、療養開始後に3年経過後に傷病補償年金を受けていればこの打ち切り補償を支払ったと同じとみなされます。

また、天災事変その他のやむを得ない事由で事業の継続が不可能となり行政官庁の認定を受けた場合も、解雇制限が解除されます。

 

 以上は期間の定めのない雇用契約の場合に有効な規定です。

6ヶ月、1年など期間の定めがある労働契約を結んでいる場合には、期間満了とともに、特別に更新を約束しているなどの事情がなければ、自動的に契約が終了となります。定年の場合も解雇とは違いますのでこの規定は適用されません。

解雇制限期間中に労働者の重大な過失等が判明し、普通なら即刻解雇というような場合はどうでしょうか。

その場合にも19条が適用となり制限期間中は解雇することはできません。

解雇を予告した後の予告期間中に業務上の負傷を負う場合もあるかもしれません。その場合にもこの規定が適用となりますから、療養のための休業中と仕事に復帰後30日は解雇できません。しかし、以前に行った解雇の通告は生きているから、あらためて解雇予告をする必要はないという通達があります。

ポイントとしては、仕事中の事故による負傷や仕事と相当因果関係のある病気をした場合(その仕事をしていなければその病気にはならなかったというような場合)、解雇を制限される期間があるということです。産前産後休業についても同じように解雇を制限する期間があるのだということがポイントです。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する