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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

家族手当を巡る問題点

私が配信してもらっている労組系のメルマガに以下のような相談事例がありました。

39歳独身ですが、子どもと実母を扶養しています。扶養家族として認められていますが、会社の家族手当については、「既婚者に支給する」という社内規定があるため支給してもらえません。総務の責任者に聞いても「就業規則で決まっているので」と言うだけです。納得いきません。というような内容です。

会社の就業規則は法令に違反している規定がある場合は、その部分は無効となり法令に従うことになっています。

家族手当については特に法令などはなく、会社の裁量部分ですから「既婚者に支給する」という規定が直ちに無効とはいえません。

しかし、就業規則というのは様々な社内の運営について約束事を明らかにして、公明正大に行うというのが目的の一つです。

社員のうち1人でも不公平感を感じている人がいたとしたら、その原因を探り、その不公平感が合理的なものであるのなら、規定を修正して誰もが納得のいくものに直していくのが正しいあり方だと思います。

前述の女性の会社の場合、家族手当というのは「家族を養っている社員は大変でしょう」ということで手当てをつけているのだと思います。

そうであるのなら、結婚しているかどうかに限定せず家族を養っている社員には支給するべきだと思います。

既婚者という限定を外し、収入がなくもっぱらその社員の扶養を受けている①配偶者、②子、③親 などがいる場合に支給すると直すのがよいと思います。

 

家族の範囲も①、②ぐらいにしてもよいでしょうし、②については年齢制限を設ける、連れ子などの場合もあるので戸籍上の子に限るとするとか、逆に扶養している子なら認めるとするか、配偶者については内縁関係を認めるかどうかなど、はっきりと規定しておかないとトラブルのもとになります。共働きの場合は子の手当てについて配偶者の会社から受け取っている場合は支給しないというような規定も必要になるでしょう。

また、社員側の届出が遅れて余分に支払ってしまったような場合は、不当利得として返還してもらうというような条項も必要になると思いますので、家族手当一つにしても社内規定というのはいろいろ考えなくてはいけないんですね。

 

独身の人は不公平だと感じるかもしれません。

この点について、「家族手当は具体的労働に対する対価という性質を離れ、家族関係を保護する目的で支給される生活扶助または生計補助給付としての経済的性格を持つ」として独身者に対する不当な差別ではないとした裁判例があります。(東京地裁判平13.1.29ユナイテッド航空「配偶者手当て」事件)

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