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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労災の障害年金と厚生年金の障害年金は同時にもらえます。

全国社会保険労務士会連合会から毎月会員宛に小冊子が届きます。

折々の法改正情報や法律運用の問題点、会員の取り扱った業務事例の紹介など、参考になる記事があり毎月目を通しています。

今月号では私と同じ埼玉県会に所属している方の経験した事例紹介があり、興味深く読みました。

障害厚生年金の請求漏れについての事案です。全てを書くとかなり複雑で分かりにくい事案なので、単純に皆様に知っておいていただきたいことだけピックアップして記事にしたいと思います。

条件を満たせば、労災の障害年金と障害厚生年金はいっしょに受け取れる(労災の方は27%を上限として減額される)ということです。

前述の事案の方は、54歳の時に通勤途中の交通事故で片足の半分を失います。通勤途中の事故ということで労災として認められ労災の障害等級4級となり、労災保険(労働者災害補償保険)から障害年金を受け取ることになります。

この方はずっと会社にお勤めで当然厚生年金の被保険者ですから、片足切断という大ケガに対して障害厚生年金の受給権が発生します。

障害厚生年金は初診日(その障害のもととなる疾病について最初に医師又は歯科医師の診察を受けた日)に被保険者であれば、業務上、業務外関係なく、身体の障害だけではなく精神疾患についても、また、退職後であっても初診日に在職していて、障害等級に該当すれば支給されます。(注1.納付要件あり)

注1.初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの国民年金の被保険者期間のうち3分の2以上が保険料納付済み期間又は保険料免除期間であること。

ずっと会社勤めで厚生年金に長く加入しているような場合は問題ないが、自営業や専業主婦、学生などの期間に滞納期間(第3号届出をしていない、学生免除申請をせず支払わないなど)があると問題となる場合がある。但し、初診日に65歳未満の場合は初診日の前々月直近1年間に滞納がなければよい。

 

しかし、その辺がよくわからなかった当事者の奥さんが社会保険事務所へ出向き、障害厚生年金をもらえるか確認したところ、驚くべきことに窓口の担当者に「労災の障害年金と障害厚生年金は一緒にもらえない。いずれか有利な方の選択です」と言われ、障害厚生年金の請求を断念してしまうのです。

こうなってくると、何を信じていいんでしょうという感じですね。社労士なら条件を満たせば労災の障害年金と障害厚生年金が併給できることなど、基本のキなんですけれどね。

この方の場合、5年後に奥さんが自分の年金の相談でたまたま市役所の年金相談を担当していた前述の小冊子の原稿の筆者である社労士に行き当たり、雑談の中で夫の話になり、それはもらえますよということになったそうです。急遽請求して消滅時効にかからない5年分は取り返しますが、その前の分は支払えないという裁定に対して、窓口の職員の指導により請求しなかったわけで本人には責任がないとして審査請求(却下)、再審査請求と進んでいきます。

その途中で、社会保険事務所に出向いた当日交付された「被保険者記録照会回答票」が見つかるという幸運があり、最終的に時効により支給できないとされた分も支給されることになったという事例紹介です。

 

一般の方が心がけることとしては、社会保険事務所等で相談をした場合は日時、内容、相手の名前などをメモ書き程度でも記録しておくこと。社会保険事務所から当日交付された書類はきちんと保存しておくことなどでしょうか。

障害厚生年金の場合は「初診日」に被保険者であるということが絶対条件になりますから、病気の記録などもわかるように整理しておくとよいでしょう。

また、納得いかない場合は地元の社会保険労務士会などにご相談いただくと、年金の得意な社労士を紹介してくれる場合もありますし、無料年金相談などもやっていますので、是非ご利用になってください。

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