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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働組合の進む道は?

労働(雇用)契約とは労働者が使用者に労働力を提供して賃金を得るという「契約関係」です。

「契約関係」とは独立した対等な個人同士が、自由な意思のもとで合意して成立する関係だというのが市民法の基本原理です。労働(雇用)契約もかつてはその原則にのっとり、お互いに話し合って自由に条件を決めていいとされていました。

しかし、労働者と使用者の間には圧倒的な交渉力の格差がありますから、「蟹工船」、「女工哀史」などの例のように労働者が不利になる「契約関係」がまかりとおっていたわけです。

「契約自由の原則」が使用者の採用や解約の自由となり、使用者の都合や社会経済情勢などで簡単に失業してしまう労働者が続出し、さらに弱い立場の労働者に対して営利職業紹介のような中間搾取や、強制労働などが行われていました。

そのような歴史に終止符を打つべく第二次大戦後に労働基準法、労働組合法、労働関係調整法という労働三法ができたというわけです。

労働基準法で最低限の労働条件を示し、労働組合法で力の弱い労働者が団結して使用者と対等の立場に立てるようにして、労使で紛争が起きた時には労働関係調整法にのっとり調整するという具合です。

労働法というとまず労働三法を指すというのが戦後間もなくからしばらくの間続いたのです。

ですから、古い時代の労働法の世界では労働組合法などが随分盛んに勉強されていたと聞いております。

社会保険労務士試験で労働組合法が時々出題されるのは、その時代に労働法を学んだちょっと年配の作問者がいるということなのかもしれません。

 

時代は移り、労働組合の組織率が今や18%と戦後最低となっています。

大手企業などではユニオン・ショップ制(社員になったら必ず労働組合に加入する)を採っている会社もあるようですが、活動が形骸化している場合も多く、労働者が本当に困った時に役にたたなかったりして、個人で加入できる地域ユニオンなどに駆け込む例も増えているということが、今朝の朝日新聞に載っていました。

会社と対立関係に立ちたくないということで、労働者の味方にならない労組もあるようですが、労働組合活動の衰退というのは結局個人が組織とどう関わっていくかの問題なのだと思います。

あまり波風たつようなことはしたくないし、会社からにらまれるようなことも嫌だしとなると、労働組合に積極的に関与することはできないという結論になるのでしょう。そういう人が構成員としてたくさんいれば、組織の力は弱くなるのは当たり前だと思います。

 

私は今年度から所属する社労士会の支部で広報誌の編集に携わるようになったため、今まであまり気に留めていなかったようなことも耳に入るようになり、社労士会にも様々な人がいるんだなと感じています。

組織の活動に一生懸命関与しようとすると、それに対する「冷ややかな視線」に気がつくことがあります。でも、その視線の主たちも自分たちの得になるような情報には敏感だし、情報をもらうということについては積極的です。

労働組合にも同じようなことがあるのかもしれないと思います。

先人たちの労苦の上に作り上げられたシステム、「みんなでよくなろう」という労働組合がこのまま衰退していってしまうのは残念だなあと思います。

しかし、そこに入るべき構成員の考え方や気質が変わってきているのですから、組織としてもっと変わる必要もあると思います。

労働組合自身が自分たちの利益だけを強硬に主張するのではなく、使用者とともに会社を創ってより良くしていくんだという気概を持ち、そのためにはどうすればよいのかを考える、また、社会全体の中で労組としてどのように行動していくのがよいのかを示すことができれば、また違った風景が広がっていくのではないかと思います。

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