FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

難しい混合診療の是非

以前過去記事にしたことのある「混合診療」の是非について、(過去記事参照)昨日東京高裁はそれを是とした東京地裁判決と全く逆の判決を出しました。

裁判では地裁と高裁が逆の判断をするということは珍しいことではありませんが、提訴した原告は現在もがん治療を続けていて、一審のときには医療に詳しい弁護士にさえ、「混合診療訴訟は経験がない」と断られた末、本人訴訟により勝訴したという経緯があります。

そんな原告にとっては厳しい結果だったと思います。

過去記事にもあるように、「混合診療」では保険適用が認められている治療と認められていない治療を併用することで、保険適用が認められている治療もひっくるめて全額自己負担となってしまいます。3割負担で済むところが10割負担ですから、患者にとっては大変な負担ということになります。

例外として厚生労働大臣が認めた先進的医療のみ混合診療ができるとして認めていますが、がんなど治療法がどんどん進歩している病気などの高度医療については、なかなか追いついていないというのが現状です。

地裁では禁止の法的根拠がないとしましたが、高裁では混合診療ができるのは国が認めた医療に限ると解釈するべきだとしています。

混合診療の範囲を限定することについては、「医療の質(安全性、有効性など)の確保の観点からやむを得ない」としたと報道されています。

現在の保険制度では、国が安全性や有効性をチェックしてよしとされた薬や治療法を誰もが平等に受けられるという良さがあります。国がチェックすることにより安全性や有効性も確保されているわけで、安心して治療を受けられるという利点があります。

 

一方、日本では認められていないけれど外国では効果も安全性も認められている治療を受けたいと思ってもそれは全額自己負担となり、さらに本来保険が適用になり3割負担で済む治療まで10割負担とされてしまうということになります。

混合診療に反対する側の論理は、医療に対して国のチェックがきかなくなり、安全性や有効性が確保できなくなるというものです。

確かにがんや難病に対して科学的根拠の乏しいような治療まで、患者が希望するからと言って混合診療でどんどんOKとなると、医療現場はかなり混乱することも予想されます。今でさえ財政的に苦しい保険制度はどうなるかなという心配もあります。

 でも、患者の側にたてば、少しでも有効な治療を受けたいというのは当たり前の気持ちでしょうし、だからと言って全てが10割負担となるのは大変なのでせめて保険の適用になる治療だけはそのまま3割負担にしてほしい、というのはよく理解できます。

 

私はかねてから日本人というのは結構「玉虫色の決着」などと言って物事の白黒をはっきりつけることを嫌う傾向があると感じています。何かを解決するのにバランスをとって全ての当事者に配慮するなんてことがありますよね。

この混合診療については何故0か100かなんていう話になってしまうのかなあと思います。いっそ混合診療については全部5割を患者負担とするなんていう「玉虫色の決着」はないのかねえなんて思ってしまいます。

それは冗談としても、混合診療はまかりならぬというのなら、国は先進医療について情報を広く集めることや、安全性、有効性のチェックをいかに早く行うかなどについてのプランを発表して、患者側を納得させる努力をもっとしてもよいのではないかと思います。

この点、長妻新厚労相の「国のこれまでの主張が認められたものと考える」という談話も歯切れのいいものではありませんね。

今のままで是非を争うだけだと、患者本人や医師が情報を集めより良い治療法を選択することを「お上にたてつく奴は許さん」とばかりに、ただ阻害しているだけに見えてしまうと思うのは私だけでしょうか。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する