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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

制裁による減給と欠勤控除は違います。

今朝の朝日新聞の社会面に「土日休んだ秘書減給」と大きく見出しがあり、小さく労基法違反の疑いとしている記事が掲載されています。

長野県の民主党議員とのことで、地元秘書が土日祝日に休むと、1日あたり2万円を減給していて制裁の限度額を超えているという書き出しから始まります。

読み進んでいくと、この記事を書いた人は制裁による減給と欠勤による給料控除を混同しているのではないかなと思いました。

制裁による減給とは、原則として仕事をしているのに、その分の対価としての賃金が減らされることを言います。むやみと減らされては労働者の生活が脅かされることになりますから、労働基準法では1回、又は1ヶ月の限度額を定めています。

一方、仕事をしなかった日について賃金を支払わないことは、「ノーワーク、ノーペイ」の原則があり直ちに違法となるわけではありません。

賃金とは労働したことの対価として支払うものという大原則があるからです。

もちろん、労使の契約で賃金の支払方法などを定めますから、月給制であれば休んでもその月の賃金として決められた額は必ず払うという形態なので、控除はあり得ません。しかし、月給日給制など欠勤した場合は控除できる契約になっていれば、働かない日(欠勤した日)について日給換算した賃金を差し引くことは問題ありません。

もっとも、この記事の場合は、この秘書の月労働日数は概ね20日、月給20万円の約束ということですから、日給換算すると1日1万円ですね。土日休むと1日につき2万円ひいていたというのは明らかに引き過ぎということになり、本来もらうべき1万円をもらえないのは「ノーワーク・ノーペイ」で仕方がないとしても、それを超えて減額されてしまったのは、一種の「制裁」と考えられなくもありません。

「制裁」と考えれば記事にもあるように、1回の額が1日分の半額以下、1賃金支払期における賃金総額(現実に支払われる賃金総額)の10分の1以下という規定があります。

ただし、それをするためには制裁規定について労働者に明示していることが条件となります。

 

ただ、私のイメージとしては給料未払いというイメージですね。

秘書が土日休んだとして2日分2万円ひかれて18万円もらうべきところ、1日につき2万円で4万円引かれて16万円しかもらえなかったというイメージですので、賃金未払いで差額を請求できる。

記事によると2007年7月~12月にやっていたとありますので、賃金債権の2年の時効が過ぎてしまった分もありますね。

でも、この記事を読んでいるとどうも労働形態がよくわからない部分もありますし、この秘書が現実に何日働いてどれだけ給料をもらっていたか、細かいことがわからないので何とも言えないなあと思う部分もあります。

 

賃金の計算方法については労働契約を結ぶ時に書面で明示しなければならない事項です。

昨年新設された労働契約法では、「使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする」(労働契約法第4条第1項)とあります。

契約を結ぶ時に明示するだけではなく、説明して理解してもらうようにすることが義務付けられています。契約途中で労働条件を変えるときには労働者の合意がない場合はできません。(同法第8条)

賃金は労働者にとって重要な労働条件ですから、労使ともにきちんと納得することが大事だと思います。

政治家としてはこういう労働法の基本ぐらいは学んでいてほしいとは思いますが、紙面での扱いが随分大きいようにも感じます。

この記事に限らず、最近大手メディアが民主党の足を引っ張ろうとしているように見えるのは私だけでしょうか。記者クラブ解放問題などがからんでいるのかなと思いますが、もしかしたら、このところすっかり影が薄くなった自民党のスキャンダルなんて、書いても誰も興味を持たないなんて思っているのかもしれませんね。

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