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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

厄介な案件に頭を抱える

今、ある法人の就業規則を作成中ですが、私にとってはちょっと厄介な案件です。

その法人はメインの事業の他に一部の事業として、ヘルパー資格のある人を登録しておいて、利用者の要請に応じて派遣して障害のある人の介助などを行っています。

最初、私は登録型の派遣社員みたいなものだろうと理解して、この人たちは別規程にしましょうと本則とは別の規程を作ることを提案してOKとなりました。

その後、いろいろ細かく話を聞いてみると、この登録ヘルパーの人たちは非常勤で、自分の都合の悪い時には仕事を断る時もあるしかなり自由裁量の幅が広いようなのですね。

派遣先でも自分の裁量で全て仕事をするので特に指示は受けないというのです。

となると、労働者性というところでまず多少のひっかかりを感じました。労働者でなければ就業規則はいりません。

「この方たちの労災保険料は支払っていますか?」

「説明会で労災は支払わなくてもいいと言われました」

「どなたに言われたんですか?役所の方ですか?」

「うーん、? どうだったかしら?。労災のことじゃないけど、一度休憩時間のことで労基署に電話して聞いたことがあるんですよ。6時間超えると45分て決まっているけど、うちの場合は、6時間以内で仕事をすることになっているので、休憩はとっていないんです。でも、実際派遣先に行くと利用者の要望なんかもあって、7時間、8時間、続けて仕事せざるを得ないときもあるんですよ。相手は障害がいろいろですから。そういうのってどうなのかなあと思って。

そしたら、労基署の人が「聞かなかったことにします」と言ってくれたんですよ。うふふ。」

「労基署の人」は親切でお目こぼしすると言ったのか、面倒なことには関わりあいたくないと思ったのか不明です。

「移動時間は労働時間につけていますか?」

「いいえ・・・」

「仕事が急にキャンセルになったときは賃金はどうされていますか?」

「それが、どうしていいかよくわからなくて、困ってるんです。」

そんなやりとりがあり、事務所に帰り調べてみたら、「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」という通達がしっかり出ているではありませんか。しかも平成16年(8月基発0827001号)と平成21年(4月基発0401005号)と二度も。

 

私はこういう事業は初めてだったので、不覚にも労働者性を疑ってしまいましたが、通達が出ているということである程度結論ははっきりしました。

労働者性を認識しない事業主が多いため訪問介護労働者の保護のために通達を出したとあります。そして、「労働者に該当するかどうかについては、使用者の指揮監督等の実態に即し総合的に判断すること」とあり、介護保険法に基づく訪問介護業務についてははっきり労働者だとしています。

私の今の案件は介護保険法に基づいてはいないので、実態で判断するということになるのでしょうが、働く人の立場に立てば「労働者」だとしてびしっと規程を作成した方がよいということになります。

労災適用も含めて、今まで曖昧にしていた部分をかなりはっきりさせる作業になりそうですが、事業主側が納得するかどうかという問題もあります。

そんなこんなで、楽して儲かる仕事なんてないのねと思う今日この頃なのでした。

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