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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働者にとって団結は大事

先週、ある有名な大手予備校が来年4月からこれまで請負契約や業務委託契約をしていた非常勤講師と雇用契約を結び、組合との団体交渉にも応じると発表しました。

これにより、非常勤講師でも雇用保険に加入したり、年金や健康保険に関連する私学共済に加入することも可能となったそうです。

労働者は労働基準法をはじめとする多くの労働法に守られています。

労働者災害補償保険法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、雇用保険法、パートタイム労働法、最低賃金法、労働組合法などなど、ですが、これらの法律は「労働者」が適用対象者ですから、請負契約、業務委託契約などで独立した個人として働く人は原則として対象者とはなりません。

もちろん、実態をみて使用従属性があれば労働者とするというような労働法の世界での判断基準はあります。しかし、グレーゾーン的なところも当然でてきますから、判断が難しいこともあり、契約形態が請負、委託などとなっていると労働者としての権利を主張しにくいということもあると思います。

また、「あなたは労働者じゃないでしょ」というのが経営者側の逃げ道にもなります。

この予備校では、今後は雇用か委託かを選択できるようにするということで、講師本人の都合に合わせて選択できる制度に変えるそうです。

いろいろな予備校をかけもちしたり、著作など個人として活動しているような人は委託の方がよいでしょうし、不安定な状態ではなく安定した状態で働きたいということであれば、雇用契約として雇用保険や社会保険などもしっかり加入できた方が安心でしょう。

結局予備校側が非常勤講師の労働者性を認めたということなのでしょう。

この予備校の非常勤講師は全国に約千人いるということですから、予備校側としては保険料などの負担も増えるし大きな決断をしたということになるのだと思います。

 

ここに至るきっかけとなったのは、非常勤講師の1人が2007年10月にそれまであいまいだった労働形態について、「請負」か「委託」などから選ぶように要請されたことから、首都圏の大学の非常勤講師などが加入する労働組合に相談したことでした。

これは労働条件の不利益変更だとして労組側が団体交渉を申し入れましたが、予備校側が「非常勤講師は労働者ではないから応じられない」として団交を拒否したことから、労組側が労働委員会に不当労働行為として救済を申立て、前述のように雇用形態を選択する、また、団体交渉にも応じるということで和解が成立したということです。

 

予備校の講師というのは授業については自分の裁量でやる部分も多いでしょうが、時間はきっちり決められ管理されているでしょうし、生徒の受けが悪いと外されるなど評価も厳しいと聞きます。やはり、労働者性は強いと思いますので、予備校側も勝ち目がないと判断したのでしょう。

今、労働組合の組織率はどんどん下がっているようですが、ひとたび組合を作ると団体交渉権など大きな権利が与えられます。弱い立場の労働者は権利を守るためには団結するということがやはり大事なのではないかなと感じました。

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