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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年次有給休暇の性質

来年4月からの労働基準法の改正については過去記事にしました。(過去記事①)、(過去記事②)

本来、法定労働時間を超える時間外労働については、1月45時間(1年単位変形労働時間制の場合は42時間)とする限度基準がありますが、臨時の受注など特別にどうしても必要な場合は、労使協定(特別条項付き36協定)により限度基準を超えて時間外労働をしてもやむを得ないということになっています。

そのため、1月に80時間とか、ひどい場合は100時間超えなんていう残業もあるわけです。

改正では過去記事にもありますが、60時間を超えた分の割増賃金率を現行の2割5分以上から5割以上に大幅に引き上げるものです。(中小企業は適用対象外)

その他には過去記事②にあるような労使協定を結べば、時間単位の年休の取得(全ての事業所に適用)ができるようになるというのが主な改正内容です。

私の所属する自主研究会でも来年の発表会に向けて、随分この話題について話し合っています。

本来、年次有給休暇というのは労働者の健康で文化的な生活を実現するために、通常の休日以外に有給の休暇を付与するというものです。

リフレッシュのための休息を目的とするものですから、ある程度まとまった日数をとってしっかりと休んでもらうのが理想なのですが、現実には欠勤や遅刻になって給料が減らされないように、病気した時やちょっとした用事のある時に有給休暇にするというようなことも行われています。

有給休暇は労働者が自由に利用してよいということになっていますので、何に使おうと会社があれこれ言うことはできないというのが原則ですが、急に休まれるのは会社としても困る、また会社には時季変更権がある(注1)ということで、就業規則で前もって届け出るという規定を設けている場合もあります。

〔注1〕事業の正常な運営を妨げる場合には時季を変更するよう事業主側が要求できる権利

事業主側が代替要員の確保など何の努力もせず、これを行使することは許されない。特に、恒常的に人手不足を理由にするのは、年休が常にとれない状況となってしまうため正当ではないとされている。

 

私も以前、小さな事業所の就業規則を作成した時に事業主さんの「急に休まれるととても困るんです」という要請を受けて、あらかじめ届け出るという規定を作り、但書としてやむを得ない理由があると会社が認めた場合は事後の届出でもよいとする規定を作ったことがあります。

その時に、事務全般を取り仕切っている事業主さんの親族の方に、

「労働基準監督署の人には、有給休暇は本来はリフレッシュのためのもので、病気の時の休暇ではないという説明を受けたので、病気の時は欠勤としてもいいのではないですか」

と言われ、ちょっとびっくりしたことがあります。

確かに事後的な有給への振替は事業主の同意が必要とは思いますが、通常は広く行われていることではないのかな、「労働基準監督署の人」はどういう意図で言ったのだろうか、ただ単に労働法的な考え方を述べたのだろうかと考えてしまいました。

杓子定規に労働法的解釈をそのまま会社にもってきても、無理がある場合があります。

だって、そこで働いているのは感情をもった「人」なのですから。事後的に届け出る有給が認められないとしたら、労働者側はなんて冷たい会社なんだろうと思うのではないでしょうか。

 

今般の改正により労使協定の締結が必要ではありますが、時間単位でも年休がとれるようになったということは、従来の「リフレッシュするための休暇」という目的に加えて、労働者の都合に合わせて有給でとれる休暇という性質もあると考えてもよいのではないかなと思います。

研究会では、時間単位の有給休暇は事業主にとっては管理が面倒になるし、協定を結ばない事業主が多いかもしれないねという話がありました。

しかし、人間生きていればいろいろな都合があり、仕事を1時間、2時間単位で有給で休めるのなら休みたいということがあるかもしれません。

事業主さんには是非考えていただきたい制度だと私は思います。

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